中国のAIスタートアップが香港上市を目指す

壁仞科技(Biren Technology)のIPOは中国のGPU市場の将来を左右する

中国のAIスタートアップが香港上市を目指す
壁仞科技は2019年に設立された中国のAIスタートアップで、通用GPUの開発に注力している。同社は自主開発した「壁立仞」アーキテクチャを採用したGPUを製造しており、業界で高い評価を受けている。

上市の目的と予想

壁仞科技は香港上市を目指しており、上市により約3億ドルを調達する予定である。同社のIPOは中国のGPU市場の将来を左右する重要なイベントとなる。壁仞科技の上市は、中国のGPU市場が成長を続けることを示すものである。

中国のGPU市場の現状

中国のGPU市場は成長を続けており、2027年までに中国のGPUメーカーの売上は国内市場の70%を占めることが予想されている。ただし、市場競争は激しく、英伟達やファーウェイ昇騰などの外資メーカーが市場の大部分を占めている。壁仞科技は技術の進歩や市場開拓などで競争力を高める必要がある。

**壁仞科技(Biren Technology)**は、中国・上海に本社を置くコンピュータグラフィックス向け半導体(GPU)チップの設計企業である。創業以来、高瓴創投、啓明創投、IDGキャピタルなどから複数回にわたる資金調達を受けている。

創業者の**張文(ジャン・ウェン)氏は、商湯科技(SenseTime)および映瑞光電に勤務した経歴を持つ。共同創業者の徐凌杰(シュー・リンジエ)**氏は、NVIDIA、AMD、アリババクラウド(阿里雲)などでの勤務経験がある。

沿革

2019年9月
張文氏、徐凌杰氏らが上海にて壁仞科技を設立。

2020年6月
Aラウンドで約11億元の資金調達を完了。

2021年3月
Bラウンドにおいて、約19億元規模の資金調達を実施。

2022年8月
理論演算性能2ペタフロップス(PFlops)を誇るGPU「BR100」の開発に成功したと発表。BR100はチップレット(Chiplet)技術を採用し、次世代インターフェースである PCIe 5.0 に対応している。

2022年10月
台湾の半導体受託製造大手TSMC(台湾積体電路製造)が、米国政府の輸出規制を遵守するため、壁仞科技向けGPUチップの製造を停止すると発表。

2023年10月17日
米国バイデン政権は壁仞科技をエンティティ・リスト(輸出規制対象企業)に追加。これに対し、壁仞科技は強い遺憾の意を表明するとともに、正式な異議申し立てを行う方針を示した。

2024年1月
共同創業者の徐凌杰氏が、壁仞科技を離れることを発表。
出典: 与非網
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