南京博物院の収蔵品問題

仇英『江南春』図巻の真贋をめぐる論争

近年、南京博物院(以下、南博)には、収蔵品の管理と保管に関する問題が発生している。庞元済の後人である庞叔令は、1959年に南博に寄贈された仇英『江南春』図巻が適切に保管されていないと主張し、南博に寄贈された137点の古代書画の現状を明らかにするよう要求した。しかし、南博側はこの要求に応じず、庞叔令は南京市玄武区人民法院に訴訟を起こした。

仇英『江南春』図巻の真贋問題

この問題の核心は、仇英『江南春』図巻の真贋である。南博側は、1961年に国家文物局の専門家がこの作品を偽作であると判断したと主張している。しかし、庞叔令側は、この判断は不当であると主張し、他の専門家の意見も紹介している。実際、仇英『江南春』図巻は、多くの収蔵家や専門家によって真作であると認識されてきた。

南博の対応と問題点

南博の対応には、問題点が存在する。南博は、1961年の判断を根拠に、仇英『江南春』図巻を収蔵品から除外し、江蘇省文物総店に移管した。しかし、この決定は、適切な手続きを経ていないと批判されている。また、南博は、仇英『江南春』図巻を庞叔令に返還しなかったことも問題点である。
出典: 観察者網-軍事

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