中国の主にAI企業であるZhipu AI (Zhipu AI(智譜)AI) が、2025年上半期にMaaS (Model as a Service) 事業が売上高の84.8%を占めるなど、法人向けサービスで急成長している。同社は清華大学発の技術力を背景に、米OpenAIを追撃する存在として注目を集めている。
OpenAIを猛追する中国勢
中国のAI産業は近年、技術基盤の開発と消費者向けアプリケーションの二つの路線で急速に発展しており、複数の企業が2025年までに上場するとの観測もある。市場の競争は激化の一途をたどっている。
先行する米OpenAIは、2025年上半期決算で売上高が約43億ドルに達し、通期では127億ドルに達する見通しだ。売上高の6割以上を法人顧客が占め、JPモルガンやBooking.com、Grabなどが同社の技術を導入していると報じられている。
Zhipu AIのMaaS戦略
OpenAIの成功モデルを追うのが、Zhipu AIとMINIMaxといった中国のスタートアップだ。特にZhipu AIは、2019年に清華大学の研究成果を事業化する形で設立された。創業者の唐杰教授は、AI分野で世界的に知られる研究者である。
同社のビジネスモデルの中核は、大規模言語モデル (LLM) の機能をAPI経由で提供するMaaSだ。これにより、顧客は低コストで自社のサービスや業務にAIを組み込むことが可能になる。同社の発表によると、2025年上半期にはこのMaaS事業が売上高全体の84.8%を占めた。
日本への影響と示唆
Zhipu AIのMaaS事業売上高が2025年上半期に84.8%を占めた事実は、日本企業にとって二つの具体的な示唆を与える。第一に、中国市場におけるAI導入の加速とビジネスモデルの変容である。Zhipu AIが清華大学発の技術力で法人向けサービスを拡大していることは、中国企業が単なるアプリケーション利用に留まらず、基盤技術の提供と活用に軸足を移していることを示す。これは、日本企業が中国市場でAI関連事業を展開する際、単なる製品販売だけでなく、API連携やMaaSのようなサービス提供型ビジネスモデルへの対応が不可欠となることを意味する。
第二に、日本企業が中国のAI技術を自社のサプライチェーンや業務プロセスに組み込む際のリスクと機会である。Zhipu AIのような中国AI企業がOpenAIの成功モデルを追撃し、JPモルガンやBooking.comがOpenAIの技術を導入しているように、中国企業もグローバル企業との連携を強化する可能性がある。日本企業が中国市場で競争力を維持するためには、Zhipu AIのような技術力の高い中国AI企業との協業を検討する機会がある。しかし、同時に、データ主権やサイバーセキュリティに関する中国特有のリスクを十分に評価し、技術導入の際には慎重なデューデリジェンスが求められる。特に、重要インフラや機密情報を扱う分野での連携は、日本の安全保障上の観点からも精査が必要となる。
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