中国の李強首相は新春を前に、国内で活動する外国人専門家らとの座談会を開き、祝意を伝えるとともに中国の発展への一層の貢献を求めた。対外開放を基本的に的な国策として堅持し、各分野での国際協力を拡大する方針を改めて強調した。新華社通信が伝えた。
対外開放の堅持と国際協力の拡大
李首相は、中国が今後も対外開放政策を揺るぎなく推進し、世界各国の優れた人材が活躍できる環境を整備していくと述べた。市場参入の拡大や公正な競争環境の確保を通じて、外国人専門家が能力を最大限に発揮できる舞台を提供すると約束した。
また、中国の発展は世界にとっての機会であると指摘。国際協力を通じて技術革新や産業の高度化を加速させることが、世界経済の成長にも貢献するとの認識を示した。
「世界の架け橋」としての役割に期待
李首相は、外国人専門家が中国とそれぞれの母国、ひいては世界との「架け橋」としての重要な役割を担っていると評価した。専門知識や技術を通じて中国の発展に貢献するだけでなく、文化や価値観の相互理解を促進する存在としての期待を表明した。
専門家らが中国での経験や見聞を客観的に世界へ発信することで、中国と国際社会との信頼関係が深まることの重要性を訴えた。
第15次五カ年計画に向けた人材誘致
今回の呼びかけは、2026年から始まる「第15次五カ年計画」の策定を念頭に置いた動きとみられる。中国共産党は7月に開催予定の第20期中央委員会第4回全体会議(四中全体会議)で、同計画の策定に関する基本的に方針を議論する予定だ。
経済の質の高い発展を目指す上で、AI、半導体、バイオテクノロジーといった先端技術分野での高度人材の確保が不可欠となっている。中国政府として、外国人専門家の誘致と定着に向けた取り組みをさらに強化していく姿勢を鮮明にした形だ。
日本への影響と示唆
今回の李強首相による外国人専門家への協力要請は、日本企業にとって二つの具体的な示唆を与える。第一に、中国が「第15次五カ年計画」に向けて、AI、半導体、バイオテクノロジーといった先端技術分野における人材獲得競争を本格化させる点である。これは、日本企業が中国市場で事業展開する際、特に研究開発拠点や高付加価値生産拠点で、優秀な中国人技術者や研究者の引き抜きリスクが高まることを意味する。例えば、日本の製薬企業が中国でバイオテクノロジーの研究開発を進める場合、中国政府の支援を受けた現地企業や研究機関との人材獲得競争が激化し、人件費の高騰や人材流出に直面する可能性がある。
第二に、李首相が外国人専門家を「世界の架け橋」と位置づけ、中国での経験を世界へ発信することを期待している点だ。これは、中国政府が外国人専門家を通じて、自国の技術力や市場の魅力を国際社会にアピールする新たなチャネルを構築しようとしていることを示唆する。日本企業は、この動きを逆手に取り、中国で活動する日本人専門家や、中国で経験を積んだ外国人専門家との連携を強化することで、中国市場の最新動向や技術トレンドをより深く理解し、自社の競争力強化に繋げる機会がある。例えば、中国のAI開発の最前線で活躍する日本人エンジニアとの定期的な情報交換を通じて、日本国内のAI戦略にフィードバックするといった具体的な協業が考えられる。