中国の国務院報道官室は、2025年の国内主に企業の業績を発表した。利益総額は2.5兆元、固定資産投資は5.1兆元に達し、総資産は95兆元を突破するなど、安定した成長を示した。

企業業績、安定成長が続く

発表によると、中国の主に企業は質の高い発展を推進し、質・量ともに成長を遂げた。総資産は70兆元、80兆元、90兆元の大台を相次いで突破し、年平均成長率は6.9%だった。企業の付加価値は5.13兆元に達し、第13次5カ年計画期間(2016〜2020年)と比較して44.6%増加した。また、利益総額は1.27兆元となり、同期間比で56.2%増の大幅な伸びを記録した。

技術革新を牽引する研究開発投資

企業は技術革新への投資を強化している。2025年、主に企業の研究開発投資額は1.1兆元に達した。こうした投資を背景に、新たに22人が中国科学院の院士に選出された。また、企業や研究機関など100以上の組織が参加する技術革新コンソーシアムが23件設立され、産学連携での開発体制が強化されている。

多額の投資は高い成果に結びついており、火星探査機「天問(中国火星探査機)2号」や、中国初の電磁式カタパルトを搭載した空母など、革新的な成果が相次いで生まれていると新華社通信は伝えている。

日本企業への示唆

中国の「主に企業」が2025年に利益総額2.5兆元、研究開発投資1.1兆元を達成したことは、日本企業にとって二つの明確な影響をもたらす。

第一に、中国企業の技術力向上は、サプライチェーンにおける競争環境を激化させる。特に、火星探査機「天問2号」や電磁式カタパルト搭載空母といった先端技術開発の成果は、中国企業が単なる製造拠点から、高付加価値製品の設計・開発能力を持つ存在へと変貌していることを示す。これまで日本企業が優位性を持っていた精密機械や先端素材分野でも、中国国内での代替が進む可能性があり、日本企業は製品差別化や新市場開拓を加速する必要がある。

第二に、中国企業の旺盛な研究開発投資は、日本企業との協業機会を生み出す。技術革新コンソーシアムが23件設立され、産学連携が強化されている現状は、特定の技術分野で中国企業が外部の知見を求めている証左である。例えば、環境技術やAI関連技術など、日本企業が強みを持つ分野において、共同研究開発や技術ライセンス供与といった形で中国市場への参入を模索できる。ただし、知的財産権保護や技術流出リスクへの厳格な対応が前提となる。

最後に、総資産95兆元、年平均成長率6.9%という規模と成長率は、中国市場の魅力が依然として大きいことを示唆する。日本企業は、中国国内の消費市場の成長を取り込むため、現地ニーズに合致した製品・サービスの開発や、デジタルマーケティング戦略の強化が不可欠である。