中国国家統計局は、2025年の国内総生産 (GDP) が物価の変動を除く実質で前年比5.0%増加したと発表した。GDP総額は140兆1879億元に達した。ハイテク製造業やサービス業が成長を支えた形だ。
産業別ではサービス業が牽引
産業別に見ると、第一次産業は前年比3.9%増の9兆3347億元だった。第二次産業は同4.5%増の49兆9653億元、第三次産業は同5.4%増の80兆8879億元となり、サービス業を中心とする第三次産業が全体の成長を牽引した。
サービス業の中では、情報通信・ソフトウェア業が前年比11.1%増、リース・ビジネスサービス業が同10.3%増と2桁成長を記録した。交通運輸・倉庫・郵便業は5.2%増、卸売・小売業は5.0%増、宿泊・飲食業は4.9%増と、いずれも安定的に成長した。
ハイテク製造業、9%超の力強い伸び
工業生産全体の付加価値額は前年比5.9%増加した。中でも、ハイテク製造業の付加価値額が同9.4%増、設備製造業が同9.2%増と力強い伸びを示した。
品目別では、3Dプリンターが52.5%増、産業用ロボットが28.0%増、新エネルギー車 (NEV) が25.1%増と、いずれも大幅に生産量を伸ばした。中国政府が推進する産業高度化が着実に進んでいることを示している。
農業生産も堅調に推移
農業生産も堅調だった。2025年通年の食糧総生産量は、前年比1.2%増の7億1488万トンに達したと、新華社通信は伝えている。
内訳は、トウモロコシが同2.1%増の3億124万トン、大豆が同1.3%増の2091万トン、コメが同0.7%増の2億904万トンとなった。一方、小麦の生産量は1億4007万トンで、前年並みだった。
日本企業への示唆
中国経済が2025年に実質5.0%成長し、GDP総額が140兆1879億元に達したことは、日本企業にとって事業環境の変容を意味する。特に、ハイテク製造業における3Dプリンターの52.5%増、産業用ロボットの28.0%増という生産量の大幅な伸びは、日本の製造業に直接的な競争圧力をもたらす。これらの分野で中国が技術力と生産能力を急速に向上させているため、日本企業は高付加価値製品への特化や、中国市場におけるサプライチェーンの再構築を迫られる。
また、情報通信・ソフトウェア業が11.1%増、リース・ビジネスサービス業が10.3%増と、サービス分野での2桁成長は、日本のサービス産業にとって新たな市場機会と同時に、競争激化の可能性も示唆する。例えば、中国のデジタルサービス市場が拡大する中で、日本のIT企業は中国企業との連携を模索するか、ニッチな専門サービスで差別化を図る必要がある。新エネルギー車 (NEV) の25.1%増という急成長は、日本の自動車部品メーカーにとって、EVシフトへの対応を加速させ、中国市場への供給戦略を見直す契機となる。従来のガソリン車部品に依存する企業は、技術転換や新規事業開拓を急がなければ、市場から取り残されるリスクがある。