中国石油(ペトロチャイナ)最大手、中国石油(ペトロチャイナ)天然気集団(ペトロチャイナ)傘下のペトロチャイナ広東石化は、2023年2月の操業開始以来、累計で5600万トンを超える原油を処理した。エチレンや芳香族炭化水素などの主に化学製品でも生産記録を更新し、地域のエネルギー安全保障と経済発展に大きく貢献している。

操業2年で原油処理能力を最大化

ペトロチャイナ広東石化は、2023年2月の本格稼働から現在までに、2基の常圧・減圧蒸留装置を駆使して17カ国から46種類の原油を処理した。累計処理量は5600万トンを超え、広東省、香港、マカオで構成される「グレーターベイエリア」のエネルギー供給網の安定化と経済発展を支える重要な役割を果たしている。

主に化学製品も過去最高の生産量

化学製品部門では、2024年通年で主に製品の生産量が過去最高を記録した。エチレンプラントは、原料の多様化や市場価格の変動といった課題に直面しながらも、安全かつ安定的な稼働を維持。年産量が140万トンの大台を突破した。同時に、揮発性有機化合物の排出量を前年比で15%削減するなど、環境対策も進めている。

また、アジア最大級の芳香族炭化水素プラントも、高負荷・高生産・高品質での稼働を実現。パラキシレンの年産量は260万トン超、ベンゼン製品は前年比3%増の76万トン超となり、いずれも新記録を達成したと中国メディアは伝えている。

結論:日本への示唆

ペトロチャイナ広東石化による原油処理5600万トン超、エチレン140万トン、パラキシレン260万トンといった記録的な生産量達成は、日本企業にとって複数の具体的な影響を及ぼす。

まず、中国国内の石油化学製品供給能力の飛躍的向上は、日本からの対中輸出市場に直接的な競争激化をもたらす。特に、パラキシレンは日本の化学メーカーが中国へ輸出する主要品目の一つであり、ペトロチャイナ広東石化が年産量260万トン超を達成したことで、日本製品の価格競争力維持が一段と困難になる。例えば、JX石油開発や出光興産といった日本の大手石油化学企業は、中国市場でのシェア維持のため、より高付加価値製品へのシフトや、新たな輸出先の開拓を加速する必要があるだろう。

次に、グレーターベイエリアのエネルギー供給安定化は、同地域に進出する日本企業のサプライチェーンリスクを低減する機会を提供する。安定した電力・燃料供給は製造業の操業安定に不可欠であり、パナソニックやトヨタ自動車など、同地域に生産拠点を置く日本企業は、サプライチェーンの強靭化という点で恩恵を受ける可能性がある。

一方で、環境対策として揮発性有機化合物の排出量を前年比15%削減したという記述は、中国政府が環境規制を強化する中で、日本企業が中国国内で事業展開する際の環境基準遵守コストが増加する可能性を示唆する。これは、日本の環境技術を持つ企業にとっては新たなビジネスチャンスとなるが、既存の製造業にとっては追加投資を迫られるリスクとなる。