中国で新エネルギーへの転換が進むなか、国能信控 (Guoneng Sicon) が開発するスマート蓄電システムが注目を集めている。同社は、2024年3月31日から4月3日にかけて北京で開催された「第14回国際蓄電サミット・展示会 (ESIE 2024)」に出展。「蓄電にとどまらず、制御でより優れる」をテーマに、蓄電技術の革新とスマートソリューションを紹介した。

次世代蓄電を「新たな生産力」の中核に

国能信控の張伝升副社長は、「第15次五カ年計画」の初年度にあたり、次世代蓄電が単なる調整手段から、新たな生産力を生み出す主にな原動力へと変化していると強調した。同氏は次世代蓄電に3つの役割を期待していると述べた。

第一に、電力網を主体的に支える安定化装置としての役割。第二に、グリーン産業の新たな成長の核となる役割。そして第三に、AIデータセンターなど高エネルギー消費分野に対し、グリーン電力と安定供給を両立させる「コンピューティング・電力連携」の基盤としての役割だ。

応用分野の開拓と「製品+サービス」モデル

国能信控は2022年に設立され、2023年には初の蓄電システムを開発、2024年には初のスマートグリッド事業を立ち上げている。張副社長によると、今後は蓄電技術の革新を加速させ、スマートエネルギー管理システムの提供を目指すという。

同社は特に「応用分野の開拓」と「『製品+サービス』というビジネスモデル」に注力する計画だ。これにより蓄電事業を拡大し、顧客に高品質なサービスを提供することを計画していると、新華社通信などが伝えた。

日本への影響

国能信控が「第15次五カ年計画」を見据え、次世代蓄電を「新たな生産力の中核」と位置付けることは、日本企業にとって複数の具体的な影響をもたらす。

まず、AIデータセンター向け「コンピューティング・電力連携」の基盤としての役割は、日本の電力インフラ企業やデータセンター事業者にとって、新たなビジネス機会となり得る。中国のAIデータセンターがグリーン電力と安定供給を両立させる基盤を求める動きは、日本の高度な電力制御技術や省エネソリューションの需要を喚起する可能性がある。例えば、東京電力ホールディングスや関西電力といった大手電力会社は、自社の持つ電力系統運用ノウハウや蓄電技術を中国市場に展開するチャンスを探るべきだろう。

次に、国能信控が「製品+サービス」モデルに注力し、スマートエネルギー管理システムの提供を目指すことは、日本の蓄電システムメーカーやエネルギーマネジメント企業にとって、競争激化と同時に協業の可能性も示唆する。パナソニックや村田製作所といった電池メーカーは、中国市場での競争優位を保つため、単なる製品供給に留まらず、中国のシステムインテグレーターとの連携を通じて、サービス提供能力の強化が求められる。

最後に、国能信控が2022年設立、2023年に初の蓄電システム開発と急速な事業拡大を見せている事実は、中国市場における技術革新と事業展開のスピードが極めて速いことを示している。日本の企業は、このスピード感に対応できるアライアンス戦略や、ニッチな高付加価値技術の開発に注力することで、中国市場での存在感を維持・拡大できるだろう。