中国国家鉄路集団は1月20日、高齢者向けの電話予約サービスを開始した。2月2日以降の乗車券が対象で、デジタル機器の操作に不慣れな層の利便性向上を目指す。この動きは、急速なデジタル化の影で取り残されがちな人々への配慮を示すものとして注目される。

電話一本で予約、決済方法は選択可能

新サービスを利用する場合、利用者は鉄道カスタマーサービス(12306)に電話し、希望の乗車日、列車番号、座席種別、人数などをオペレーターに伝える。カスタマーサービス側で空席状況を確認して予約を処理し、手続きが完了すると利用者に電話で通知される仕組みだ。

支払いは、利用者の都合に合わせてオンラインまたはオフラインで選択できる。これにより、スマートフォンやコンピューターの操作が難しい高齢者でも、電話一本で乗車券の予約を完結させることが可能になった。

団体券もオンライン決済に対応

中国国家鉄路集団は今回のサービス拡充と同時にに、団体券の電話予約においてもオンライン決済を導入した。これまで煩雑だった手続きを簡素化する狙いがある。

予約が完了すると、代表者の携帯電話に決済用リンクを含むショートメッセージサービス(SMS)が送信される。代表者はそのリンクから乗客情報を入力し、支払い手続きを行うことで、オンラインでの乗車券購入が完了する。

日本市場への影響

中国国家鉄路集団による高齢者向け電話予約サービス開始は、日本の鉄道事業者や関連企業にとって、デジタル化と高齢化社会への対応における具体的な示唆を提供する。特に、JR各社が推進するオンライン予約システムにおいて、デジタルデバイド解消へのアプローチを再考する契機となる。

中国では、スマートフォン操作に不慣れな高齢者向けに、12306への電話一本で予約を完結させ、決済もオンライン・オフラインから選択可能とした。これは、日本でも同様に高齢化が進む中、デジタル化の恩恵を受けにくい層への配慮が、利用者の拡大と顧客満足度向上に直結することを示唆する。例えば、JR東日本が提供する「えきねねっと」のようなオンラインサービスは利便性が高いが、電話による予約・決済サポートの拡充は、利用層の裾野を広げる可能性がある。

また、団体券のオンライン決済導入は、旅行会社や企業向けサービスにおける効率化のヒントとなる。JTBのような大手旅行代理店は、団体旅行の手配において依然として電話やFAXを用いるケースが多く、SMSによる決済リンク送信のような簡便な仕組みは、業務効率化と顧客体験向上に貢献し得る。

この中国の事例は、デジタル化を推進しつつも、アナログな手段を残すことで、幅広い顧客層を取り込む戦略の有効性を示している。日本企業は、単なるデジタル化の推進だけでなく、利用者の多様なニーズに対応する柔軟なサービス設計の重要性を認識すべきだろう。