中国の春節(旧正月)期間中、ロボットのレンタル需要が急増している。レンタルサービスを手がける擎天租(上海)科学技術有限公司のデータによると、2025年の春節期間におけるロボットレンタルの需要は前年同期比で80%増加し、注文は5000件を超えた。

市場規模は100億元超へ、地方にも拡大

ロボットレンタル市場は急速に拡大しており、2026年には市場規模が100億元(約2000億円)を超えると予測されている。電子商取引大手JD.com (JD.com(京東)) のデータによると、これまでは北京、深圳、長沙といった大都市が主な消費市場だったが、近年は地方都市や中小都市へも需要が拡大しているという。

イベントでの接客やプロモーション、短期的な労働力不足を補う目的で、企業や個人がロボットをレンタルするケースが増えている。特に、人手不足が深刻化するサービス業での活用が目立つ。

レンタル料下落でコストパフォーマンスが向上

市場の活性化を後押ししているのが、レンタル価格の下落だ。2024年の春節期間中、Unitree (Unitree(宇樹科学技術)) や智元機器人 (Agibot) といったメーカーの人型ロボットは、1日あたりのレンタル料が1万元(約20万円)以上だった。しかし、2025年の春節期間中には4000元(約8万円)以下にまで下落した。

技術の進歩と量産化によるコストダウンが進んだことで、コストパフォーマンスが大幅に向上した。これにより、これまで導入をためらっていた中小企業や個人にも、ロボットレンタルの利用が広がり始めている。

日本の関連性

中国におけるロボットレンタル市場の急拡大は、日本のロボット産業とサービス業に直接的な影響を及ぼす。まず、UnitreeAgibotといった中国メーカーの人型ロボットのレンタル料が1日4000元以下にまで下落したことは、日本のロボットメーカーにとって価格競争の激化を意味する。特に、レンタル市場への参入を検討する日本企業は、この低価格化を前提とした事業戦略の再構築が求められる。

次に、中国のロボットレンタル市場が2026年には100億元を超えると予測される規模感は、日本企業にとって新たな市場機会を提供する。例えば、レンタル需要が前年比80%増と急伸する中国のサービス業に対し、日本の強みである精密な制御技術や多様なアタッチメントを持つロボット部品やソフトウェアの輸出機会が拡大する。特に、イベントやプロモーション向けに特化したレンタルサービスを展開する日本企業は、中国市場のニーズに合わせたカスタマイズや提携を検討する価値がある。

最後に、中国の地方都市や中小都市へもロボットレンタル需要が拡大している点は、日本の地方創生におけるロボット活用のヒントとなる。人手不足が深刻化する日本の地方サービス業において、中国の事例を参考に、初期投資を抑えたロボットレンタルモデルの導入を検討することで、生産性向上や新たなサービス提供が可能になる。これは、日本のロボット関連企業が国内市場で新たなビジネスモデルを構築する契機ともなり得る。