中国中央広播電視総台(チャイナ・メディア・グループ、CMG)は、2026年2月16日に放送する旧正月の恒例特別番組『春節聯歓晩会』(通によると:春節ガラ)を、世界200以上の国と地域、3500以上のメディアで同時中継すると発表した。85言語での配信を通じて、中国の文化発信とソフトパワーを世界規模で展開する。

2026年「春節ガラ」の放送概要

2026年の「春節ガラ」は、現地時間2月16日午後8時より生放送される。中国国内では、CMG傘下のCCTV総合、バラエティ、国際(中国語)、国防軍事、戯曲、子供向け、音楽(バリアフリー版)、農業農村の各チャンネルに加え、4Kおよび8Kの超高精細チャンネルなど、合計10チャンネルで放送が予定されている。また、9つのラジオチャンネルやCMG系列の6つのメディアプラットフォームでも同時配信される。

200カ国以上、3500メディアへの世界配信

国際配信は、CMGの国際放送部門であるCGTN(中国国際テレビ)が担当する。英語、スペイン語、フランス語、アラビア語、ロシア語を含む85言語で、世界200以上の国と地域に届けられる。CMGの国際映像通信社は、この世界配信を実現するため、主にな国際放送連合と連携する。

具体的には、アジア太平洋放送連合(ABU)、アフリカ放送連合(AUB)、ラテンアメリカニュース連合(LANA)、アラブ国家放送連合(ASBU)、欧州ニュース交換連合、イスラム協力機構放送連合、カリブ放送連合の7つのニュース・放送連合と協力。これらの連合に加盟する181の国と地域、400以上のメディア機関を通じて、「春節ガラ」のハイライトなどが生放送されるとCMGは伝えている。

日本市場への影響

CMGが2026年春節ガラを3500以上のメディアで同時中継し、85言語で配信する計画は、日本企業にとって文化・コンテンツ産業における新たな競争環境を意味する。これまで日本が強みとしてきたアニメやゲームといったソフトパワー輸出に対し、中国は国家主導で「春節ガラ」のような大規模イベントを世界展開することで、文化的なプレゼンスを急速に高める可能性がある。特に、アジア太平洋放送連合(ABU)など7つの放送連合との連携は、地域における中国コンテンツの浸透を加速させる。

この動きは、日本のメディア・コンテンツ企業に二つの具体的な影響をもたらす。まず、日本発のコンテンツが海外市場で中国発コンテンツと競合する機会が増加する。特に、アジア地域ではCMGによる大規模なプロモーションが、日本のコンテンツの市場シェアを脅かすリスクがある。次に、日本企業が中国市場へコンテンツを輸出する際、CMGが主導するプラットフォームや流通網への依存度が高まる可能性がある。これは、コンテンツの多様性や表現の自由が制約されるリスクを伴う。

しかし、機会も存在する。例えば、CMGが確立する広範な配信ネットワークを、日本企業が自社コンテンツの流通チャネルとして活用する可能性も考えられる。共同制作やライセンス供与を通じて、CMGの技術力や国際的な影響力を逆手に取り、日本コンテンツの新たな市場開拓に繋げる戦略も検討に値する。例えば、日本の伝統文化や現代アートを「春節ガラ」のような国際イベントと連携させ、共同で世界に発信する機会を模索することもできる。