中国で年末商戦が本格化している。EC(電子商取引)大手のJD.com(京東)集団 (JD.com) やAlibaba集団などが大規模なセールを開始したほか、シャオミ (シャオミ) が新型スマートフォンを投入するなど、冷え込みが指摘される個人消費の喚起に向けた動きが活発化している。
EC各社、大規模セールで消費喚起
JD.com(京東)集団やAlibaba集団傘下の「Taobao(淘宝)網 (タオバオ)」といった主にECプラットフォームは、年末年始に向けて大規模な販促キャンペーンを展開している。JD.com(京東)は、誰でも利用できる「無条件クーポン」が抽選で最高2万6,999元(約56万円)分当たるキャンペーンを実施。中国メディアによると、特定の時間帯には追加のクーポン抽選機会も設けられるという。
これらのキャンペーンでは、一定期間内の最安値を保証する「価格保証」サービスも提供され、消費者は安心して買い物を楽しめるよう工夫されている。各社はこうした施策を通じて、年末の消費マインドを刺激したい考えだ。
アップル・シャオミなど新製品も対象に
セールでは新製品も魅力的な価格で提供されている。昨年10月に発売されたアップルの「iPad Air」は、JD.com(京東)の直営店でクーポン適用後に5,999元(約12万5000円)に値下げされた。同社の決済サービス「白条 (Baitiao)」を利用すれば、12回までの無金利分割払いにも対応する。
また、スマートフォン大手のシャオミは、2024年10月29日に新型スマートフォン「Xiaomi 15」を発売した。同機はクアルコム製の最新鋭プロセッサーを搭載し、メモリー12GB、ストレージ512GBの上位モデルの価格は4,999元(約10万4000円)に設定されている。最新機種の投入が、市場の活性化につながるか注目される。
日本への影響
中国EC年末商戦の本格化は、日本企業にとって二つの具体的な影響をもたらす。第一に、JD.comの「無条件クーポン」最高2万6,999元付与や、アップル「iPad Air」の5,999元への値下げといった大規模な価格競争は、日本製品の中国市場での価格優位性をさらに低下させる。特に、シャオミが新型スマートフォン「Xiaomi 15」を4,999元で投入し、最新技術を低価格で提供する戦略は、日本の電子部品メーカーや素材メーカーにとって、中国市場での供給価格の引き下げ圧力を強める。高機能・高価格帯での競争が激化する中で、日本企業は部品供給におけるコスト競争力強化か、あるいは中国市場に特化した廉価版製品の開発を迫られる可能性がある。
第二に、Alibaba傘下のTaobaoなどECプラットフォームが提供する「価格保証」サービスは、消費者信頼を高め、オンライン購入を加速させる。これは、中国市場における日本ブランドのオフライン店舗戦略の見直しを促す。実店舗での体験価値向上や、オンライン・オフライン連携の強化が急務となる。また、JD.comの決済サービス「白条 (Baitiao)」による12回までの無金利分割払いは、高額商品の購入障壁を下げ、日本ブランドの家電や高価格帯消費財の販売戦略において、同様の柔軟な決済手段の導入を検討する必要性を示唆する。中国消費者の購買行動がオンラインと柔軟な決済にシフトする中、日本企業は販売チャネルと決済手段の最適化を急ぐべきだ。