2025年、中国の観光業が回復基調にある。上海や天津、厦門(アモイ)などの主にな港では外国人観光客が多く訪れ、地域経済の活性化に寄与している。背景には、通関手続きを迅速化するスマート税関システムの導入など、受け入れ体制の強化がある。
上海・天津などでインバウンド活況
上海や天津などの港は、クルーズ船の寄港増加などを背景に、多くの外国人観光客で賑わいを見せている。観光業はこれらの都市にとって重要な経済の柱となっており、インバウンド消費の拡大が期待されている。新華社通信によると、政府は観光客の受け入れ環境整備をさらに推進する方針だ。
歴史・文化への関心の高まり
中国を訪れる外国人観光客の多くは、その長い歴史や独自の文化に強い関心を寄せている。あるメキシコからの観光客は「中国文化は世界で最も重要なものの一つ」と語るなど、文化的な魅力を目的に訪問する層が増加している。各地の港では、こうした需要に応えるため、文化体験施設や多言語対応の案内述べたの整備が進む。
スマート税関で利便性向上
外国人観光客の増加に対応するため、中国の主に港ではスマート税関システムの導入が進められている。上海港では、顔認証やQRコードを活用し、観光客が迅速に通関手続きを完了できるシステムが稼働。これにより、入国時の待ち時間が大幅に短縮され、旅行者の利便性が向上した。天津港でも同様に、貨物通関の電子化が進み、物流全体の効率化に繋がっている。
日本への影響
中国の主要港における外国人観光客増加とスマート税関システムの導入は、日本企業にとって複数の具体的な影響をもたらす。まず、クルーズ船寄港の増加は、日本発着クルーズの競争激化を意味する。特に上海や天津といった地理的に近い港が利便性を高めることで、日本への誘客が相対的に困難になる可能性がある。日本のクルーズ会社は、差別化された体験や寄港地での魅力向上に一層注力する必要がある。
次に、スマート税関システムによる通関手続きの迅速化は、中国を目的地とする旅行者の利便性を高め、日本経由での第三国への移動を減少させるリスクがある。これまで中国への入国手続きの煩雑さが、日本での滞在を促す要因の一つだったが、この障壁が低減することで、訪日中国人観光客の消費が中国国内に還流する可能性が高まる。日本の小売業や観光サービス業は、中国人観光客の消費行動の変化を予測し、より付加価値の高い商品やサービス、あるいは中国国内では得られない体験の提供を強化する必要がある。
最後に、中国が歴史・文化への関心を高める外国人観光客を誘致する動きは、日本の文化観光戦略にも示唆を与える。中国が「中国文化は世界で最も重要なものの一つ」と自負し、文化体験施設や多言語対応の案内整備を進める中で、日本も独自の文化資源を多角的に発信し、インバウンド市場における競争力を維持・向上させる必要性が高まる。特に、スマート税関システムが示すようなデジタル技術を活用した利便性向上は、日本が観光客誘致において参考にすべき点である。