中国の送電最大手、中国国家電網公司が2026年から2030年にかけて、送電網整備に約4兆元(約80兆円)を投資する計画であることが明らかになった。超高圧(UHV)送電網の拡充やスマートグリッド化を加速させ、国内のエネルギー供給安定化と新エネルギーの活用拡大を目指す。この巨額投資への期待から、関連企業の株価は軒並み高騰している。

4兆元規模の次期送電網投資計画

中国国家電網の次期5カ年投資計画(2026〜2030年)は、主に3つの分野に重点を置いている。具体的には、①再生可能エネルギー拠点から大消費地へ電力を送るための「超高圧(UHV)直流送電網」、②異なる地域間の電力融通を円滑にする「地域間連系プロジェクト」、③電力網の効率性と安定性を高める「スマートグリッド・プラットフォーム構築」だ。

この計画は、中国国内の電力需給の逼迫緩和と、太陽光や風力といった新エネルギーの導入拡大を支えるインフラ基盤を強化する狙いがある。中国メディアによると、この投資規模は電力インフラ分野において過去最大級となる見通しだ。

関連企業の株価が軒並み上昇

この大規模な投資計画を好感し、送電設備を手がける関連企業の株式市場での評価が急上昇している。超高圧設備大手の許継電気(XJ Electric)平高電気(Pinggao Electric)中国西電(China XD Electric)などの株価は、年初来で大幅に上昇した。

市場では、国家主導のインフラ投資が今後数年間にわたり、これらの企業の安定した収益源になるとの楽観的な見方が広がっている。特にUHV関連の技術や製品を持つ企業が、プロジェクトの主にな受注先になると期待されている。

まとめ:日本への示唆

中国国家電網による4兆元(約80兆円)規模の送電網投資は、日本企業にとって複数の事業機会と課題を提起する。まず、超高圧(UHV)直流送電網の拡充は、日本が強みを持つ高機能素材や精密部品メーカーにとって、新たな市場参入のチャンスとなる。例えば、送電ロスを低減する高効率変圧器や絶縁材料、あるいはスマートグリッド化に不可欠なセンサーや制御システムは、日本の技術優位性を活かせる分野だ。

次に、中国国内のエネルギー安定化と新エネルギー活用拡大の動きは、日本の再生可能エネルギー関連企業にとって、中国市場での協業や技術輸出の可能性を示唆する。中国の電力インフラが高度化すれば、日本企業が開発する蓄電池技術や分散型電源管理システムへの需要が高まる可能性もある。

一方で、許継電気や平高電気といった中国国内の関連企業の台頭は、日本企業にとって競争激化を意味する。中国政府の強力な支援を受けたこれらの企業は、コスト競争力と技術力を急速に向上させており、日本企業は単なる製品供給に留まらず、より付加価値の高いソリューション提供や、独自のニッチ市場開拓に注力する必要がある。中国の巨大な内需を取り込むには、現地企業との連携や、サプライチェーンの再構築も視野に入れるべきだろう。