中国国家エネルギー局が発表したデータによると、2025年11月の全国電力市場における取引量は5484億キロワット時(kWh)に達し、前年同月比で7.0%増加した。1月から11月までの累計取引量は6兆300億kWhとなり、前年同期比で7.6%増を記録。経済活動の回復を背景に、電力需要が堅調に推移していることが示された。

拡大する電力市場、取引量は6兆kWhを突破

中国の電力市場は拡大を続けている。国家エネルギー局の発表では、2025年1〜11月の累計電力取引量が6兆300億kWhに達し、前年同期比で7.6%の伸びを示した。電力市場の活性化は、エネルギー需給の効率化と安定供給に貢献している。

中国政府は電力市場の改革を推進しており、市場メカニズムを通じた電力取引を拡大することで、エネルギー資源の最適な配分を目指している。この増加は、産業部門の電力需要の増加と、電力供給能力の拡大が背景にある。

太陽熱発電を推進、2030年に1500万kW目標

電力需要の増加に対応し、脱炭素化目標を達成するため、中国のエネルギー当局は再生可能エネルギーの導入を加速させている。特に、国家発展改革委員会と国家エネルギー局は、太陽熱発電(集光型太陽熱発電、CSP)の導入を促進する方針を共同で発表した。

この方針では、2030年までに太陽熱発電の総設備容量を1500万キロワット(kW)に引き上げるという野心的な目標が掲げられている。目標達成に向け、政府は技術開発の支援、関連産業の育成、政策的な後押しを強化する計画だ。

日本への影響

中国の電力取引量7.6%増と太陽熱発電推進は、日本企業に複数の直接的な影響を及ぼす。まず、2025年1-11月累計で6兆300億kWhに達した電力市場の拡大は、日本の電力関連技術・設備の輸出機会を創出する。例えば、電力網の安定化に資するスマートグリッド技術や蓄電池システムを提供する日立製作所やパナソニックといった企業は、中国の旺盛な需要を取り込む余地がある。

次に、2030年までに1500万kWを目指す太陽熱発電の野心的な目標は、日本の重電メーカーや素材メーカーにとって新たなビジネスチャンスとなる。三菱重工業やIHIのような企業は、太陽熱発電所の建設に必要なタービンやボイラーなどの主要設備、あるいは関連する高機能素材の供給で貢献できる。特に、中国が技術開発を加速させる中で、日本の持つ高品質な部品や精密加工技術への需要が高まる可能性がある。

一方で、中国の電力市場拡大と再生可能エネルギー推進は、日本企業が中国市場で競争力を維持するための課題も提起する。中国国内企業の技術力向上と価格競争力の強化が進むため、日本企業は単なる製品供給に留まらず、ソリューション提供や共同開発といった付加価値の高い戦略への転換が求められる。例えば、中国企業との連携による第三国市場への展開も一考に値する。