中国情報技術安全評価センターは、ファーウェイのデスクトップ向けOS『HarmonyOS V1.0』が、セキュリティ信頼性評価で最高等級の『等級Ⅱ』を中国製デスクトップOSとして初めて獲得したと発表した。政府調達で国産技術の採用が進む中、中国の技術的自立に向けた重要な一歩となる。
国産OSとして初の最高等級
中国の政府系機関である中国情報技術安全評価センターが実施する「セキュリティ信頼性評価」は、国内で利用される情報技術製品の安全性を測る指標だ。今回の評価で、ファーウェイのデスクトップ版 HarmonyOS V1.0 が最高評価の「等級Ⅱ」を取得した。同センターによると、中国製のデスクトップOSがこの等級を獲得するのは初となる。
これまで、他の国産デスクトップOSやサーバーOSは「等級Ⅱ」の認証を獲得できておらず、HarmonyOSの技術的な先進性が際立つ結果となった。この成果は、米国の制裁下で独自の技術エコシステム構築を急ぐ中国にとって、大きな節目となる。
他の国産OSをリードするセキュリティ性能
今回の評価では、HarmonyOS以外にも複数の国産OSがリストアップされた。具体的には、UOS(統信ソフトウェア)の「デスクトップオペレーティングシステム V25」、ファーウェイのサーバー向けOS「EulerOS V3」、Alibabaクラウドの「サーバーオペレーティングシステム V4」などが含まれる。しかし、これらはいずれも最高等級には達していない。
この評価結果は、中国国内の政府機関や国有企業がOSを選定する際の重要な判断材料となる。セキュリティ性能で他をリードするHarmonyOSは、公共分野や重要インフラでの採用が今後さらに加速する可能性がある。
日本への影響
ファーウェイのデスクトップ向けOS「HarmonyOS V1.0」が中国情報技術安全評価センターによるセキュリティ信頼性評価で国産OS初の最高等級「等級Ⅱ」を獲得したことは、日本企業にとって二つの具体的な影響をもたらす。
第一に、中国政府調達における国産OSの採用加速は、日本企業の中国市場戦略に直接的な影響を与える。特に、中国市場でPCやサーバー関連製品を展開する富士通やNECのような企業は、OS非依存のハードウェア供給、あるいはHarmonyOSへの対応を迫られる可能性がある。中国の公共部門や重要インフラにおける「HarmonyOS V1.0」の採用が進めば、既存のサプライチェーンやビジネスモデルの再構築が喫緊の課題となる。
第二に、中国の技術的自立の加速は、日系IT企業の技術協力や合弁事業の機会を創出する可能性がある。例えば、HarmonyOSが今後、中国国内でデファクトスタンダードとなれば、そのエコシステムに参画する形で日本企業がソフトウェア開発やアプリケーション提供を行う余地が生まれる。特に、セキュリティ評価で「等級Ⅱ」という高い信頼性を得たことは、中国市場での共同開発や技術提携を検討する際の重要な判断材料となる。ただし、中国の技術標準が国際標準と乖離するリスクも伴うため、参画の際は慎重な見極めが不可欠である。