中国のスマートフォン市場で新製品の発表が相次いでいる。中国のスマートフォン大手VivoのサブブランドであるiQOOは、最新モデル「15 Ultra」を発売した。一方、シャオミ(Xiaomi)も次期フラッグシップモデル「17」シリーズの投入を予告しており、各社が最新技術を搭載した製品で市場競争を繰り広げている。

iQOO、最新鋭スマホ「15 Ultra」を発売

iQOOは新型スマートフォン「15 Ultra」を正式に発売した。価格は5,499元(約11万8000円)からだが、国の補助金などを適用した実質価格は4,999元(約10万7000円)からとなる。中国のEC大手、JD.com(京東)集団(JD.com)の公式サイトでは、購入促進のため各種割引クーポンが提供されている。

同モデルは、クアルコムの次世代チップ「Snapdragon 8 Elite Gen5」と自社開発のeスポーツ向けチップ「Q3」を搭載。ストレージはUFS 4.1、メモリはLPDDR5X Ultra Pro規格を採用し、最上位モデルは24GBのメモリと1TBのストレージを備える。

ディスプレイには、6.85インチのサムスン製M14有機ELパネルを採用し、解像度は2K+、リフレッシュレートは144Hzに対応。バッテリー容量は7,400mAhで、100Wの有線急速充電と40Wのワイヤレス充電をサポートするなど、高いスペックを誇る。

シャオミ、次期モデル「17」シリーズを予告

一方、シャオミは次期モデル「17」シリーズを2025年9月に発売する見込みだ。中国メディアの報道によると、標準モデル(メモリ12GB、ストレージ512GB)の価格は4,799元(約10万3000円)、Proモデル(メモリ16GB、ストレージ512GB)は5,599元(約12万円)となる見通しである。

予約販売期間中の特典や国の補助金を適用した場合、実質価格はそれぞれ3,699元(約7万9500円)と4,799元(約10万3000円)まで下がるとみられる。iQOO同様、高性能チップセットや大容量メモリを搭載し、ハイエンド市場でのシェア拡大を狙う戦略だ。

結論:日本への示唆

中国スマートフォン市場におけるiQOO「15 Ultra」やシャオミ「17」シリーズの高性能化は、日本企業にとって二つの明確な影響をもたらす。

第一に、部品サプライヤーへの影響だ。iQOO「15 Ultra」が「6.85インチのサムスン製M14有機ELパネル」を採用しているように、中国メーカーは依然として特定の高性能部品を海外サプライヤーに依存している。サムスンディスプレイのような大手だけでなく、日本の村田製作所やTDKといった電子部品メーカーは、中国スマホの高性能化に伴う需要増の恩恵を受ける可能性がある。特に、高性能チップと大容量バッテリーを効率的に機能させるための受動部品や高周波部品の需要は拡大し、これら得意分野を持つ日本企業には新たな商機が生まれる。

第二に、日本市場における競争激化である。シャオミはすでに日本市場に参入しており、iQOOも将来的な展開を視野に入れている可能性がある。iQOO「15 Ultra」が「24GBのメモリと1TBのストレージ」というPC並みのスペックを誇り、価格が5,499元(約11万8000円)からと、日本のハイエンドモデルと比較しても競争力のある価格帯で提供されることは、国内のスマートフォンメーカーやキャリアにとって脅威となる。高性能かつ低価格な中国製スマホの流入は、国内メーカーのシェアをさらに圧迫し、価格競争を激化させるだろう。特に、ソニーやシャープといった国内メーカーは、独自の強みを明確に打ち出さなければ、市場での存在感を維持することが困難になる。