中国の主に企業が直面する課題が相次いで明らかになっている。ゲーム大手のmiHoYo(ミホヨ)では法務部門を巡る利益相反問題が発覚したほか、食品チェーンの絶味食品は上場以来初の通期赤字に陥る見通しだ。中国市場のコンプライアンス意識や消費動向の変化が浮き彫りになっている。
miHoYo、利益相反で法律事務所との提携解消
人気ゲーム『原神(Genshin Impact)』で知られるmiHoYoの法務部門が、提携していた上海市の法律事務所との協力関係を解消したことが分かった。中国メディアの報道によると、同事務所がmiHoYoの訴訟案件で利益相反の状態にありながら、研修中のスタッフを相手側の証拠収集に協力させていたことが原因だという。企業のコンプライアンス体制の重要性が改めて問われる事案となった。
絶味食品、上場来初の赤字見通し
アヒルの首などの加工食品を販売する絶味食品は、2025年通期の業績見通しを発表し、純利益が1億6000万元(約32億円)から2億2000万元(約44億円)の赤字になるとの見通しを示した。2017年の上場以来、初の通期赤字となる。同社の店舗数は過去1年半で約4000店減少しており、国内消費の低迷が経営を直撃している形だ。
小売・IT大手も課題に直面
その他の企業も様々な課題に直面している。宝飾品大手の周大福は、春節(旧正月)後の価格調整を計画。カフェチェーンのラッキンコーヒー(瑞幸珈琲)では、カップのデザインに誤字が見つかり、SNSで指摘が相次いだ。また、スマートフォン大手のシャオミ(シャオミ)の創業者である雷軍(レイ・ジュン)氏は、改めて米国市場への進出を否定した。
一方で、米アップルは中国市場で大きな売上増を記録しており、厳しい市場環境の中でも高品質な製品への需要は根強いことを示した。
まとめ:日本への示唆
miHoYoの利益相反問題は、日本企業が中国で事業展開する上での法務リスクを再認識させる。提携先の法律事務所が相手側に協力していたという事実は、現地パートナー選定におけるデューデリジェンスの甘さが致命傷になり得ることを示唆する。特に、知的財産権保護が重要なゲーム業界において、日本企業は契約内容と実態の乖離がないか、定期的な監査を強化する必要がある。
絶味食品の初の通期赤字は、中国国内消費の構造変化が日本企業にもたらす影響を明確にする。同社の店舗数が過去1年半で約4000店減少したことは、単なる景気低迷だけでなく、消費者の嗜好や購買行動の変化が特定の業態を直撃している実態を示す。日本の食品・小売企業は、中国市場への進出戦略において、従来の店舗展開モデルだけでなく、オンライン販売や新たな消費トレンドへの適応力を高める必要がある。例えば、ラッキンコーヒーのデザイン誤字問題がSNSで拡散されたように、中国市場ではデジタルチャネルを通じたブランド毀損リスクが高く、日本企業も現地でのコミュニケーション戦略を再考すべきだ。
これらの事例は、中国市場がもはや一律の成長市場ではなく、企業個別のコンプライアンス体制と消費トレンドへの適応力が事業継続の鍵を握ることを示している。