2023年5月にアクセスを停止した中国の老舗インターネット掲示板「天涯フォーラム」が、Web3技術を活用した新たな計画で復活を目指していることが分かった。しかし、その手法には資金集めが主目的ではないかとの懐疑的な見方も出ており、計画の実現性が問われている。
サーバー費用未払いで停止、中国ネットの草分け
天涯フォーラムは1999年に開設され、20年以上にわたり中国のインターネット世論を形成する上で重要な役割を果たしてきた草分け的な存在だ。しかし、運営上の問題からサーバー費用が未払いとなり、2023年5月27日に公式サイトがアクセス不能となった。その後、クラウドファンディングによる再建が2度試みられたが、いずれも目標額には届かず失敗に終わっていた。
Web3活用「新天涯計画」の全貌と課題
今回浮上した「新天涯計画」は、3つの柱で構成される。第一に、オンラインとオフラインを融合した会員制プラットフォーム「天涯客」の立ち上げ。第二に、天涯フォーラム本体の正常なアクセス再開。そして第三に、海外ユーザーを対象としたWeb3プラットフォームの構築だ。中国の複数メディアが報じている。
計画では、創設メンバーとして1999元(約4万3000円)を支払うことで、デジタルIDバッジや過去の人気投稿を10年間無料で閲覧できる権利などの特典が与えられるとしている。しかし、これらのサービスはサイトが実際に復活しなければ利用できず、計画自体が「絵に描いた餅」に過ぎないとの批判も多い。投機的な資金集めが目的ではないかという懸念が、ユーザーの間で広がっているのが現状だ。
日本の関連性
「天涯フォーラム」のWeb3での復活計画は、日本のインターネット関連企業にとって、中国市場における新たな機会とリスクを提示する。まず、Web3技術を用いたデジタルIDバッジや過去投稿閲覧権といった特典販売は、中国でのデジタル資産やNFTに対する需要の存在を示唆する。日本のコンテンツプロバイダーやWeb3関連企業は、中国のユーザーがデジタル価値に支払う意欲があることを認識し、同様のビジネスモデルを検討する余地がある。例えば、日本のIPコンテンツをWeb3技術で展開する際の参考になるだろう。
しかし、この計画が「資金集め目的」との批判を受けている点は、日本の企業が中国市場でWeb3事業を展開する際の留意点となる。特に、1999元(約4万3000円)という比較的高額な初期費用を徴収するビジネスモデルは、投機的な側面が強く、法規制やユーザー保護の観点から慎重な検討が必要だ。中国政府のWeb3関連規制は流動的であり、安易な参入は法的リスクやブランドイメージの毀損につながる可能性がある。
さらに、天涯フォーラムがサーバー費用未払いでアクセス停止に至った経緯は、中国のインターネットプラットフォーム運営における財務健全性の重要性を浮き彫りにする。日本の企業が中国でオンラインサービスを提供する際は、収益モデルの持続可能性と資金管理を徹底する必要がある。特に、クラウドファンディングによる資金調達の失敗事例は、中国市場での資金調達の難易度と、ユーザーからの信頼獲得の重要性を示唆している。
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