中国のテクノロジー企業が事業拡大の動きを加速させている。四足歩行ロボットで知られるUnitree Roboticsは上場準備を本格化させ、スマートフォン大手のシャオミ (シャオミ)は業界の不透明な商慣行の是正を表明した。各社が成長戦略を模索する中、中国のテクノロジー業界は新たな局面を迎えている。

Unitree、上場準備を本格化

ロボット開発を手がけるスタートアップ、Unitree Robotics (Unitree(宇樹科学技術))が、上場に向けた手続きを本格的に進めていることが分かった。同社は高性能な四足歩行ロボットなどで知られ、産業用からコンシューマー向けまで幅広い製品群を持つ。上場により調達した資金は、さらなる研究開発やグローバル市場での事業拡大に充てられる見通しだ。

一方、モバイルバッテリーなどを手がけるROMOSS (羅馬仕)は、事業の再編計画を発表した。新華社通信によると、同社は中国国内での販売に必要な3C認証(中国強制製品認証制度)の再取得も計画しており、経営体制を刷新して競争力の回復を目指す。

シャオミ、消費者保護へ業界慣行の是正を表明

シャオミの創業者である雷軍会長は、業界にはびこる悪しき慣行を改める考えを表明した。特に、契約書などで消費者に不利な条件を意図的に小さな文字で記載する手法を問題視しており、自社製品において透明性の高い情報提供を徹底すると約束した。

この動きは、中国のテクノロジー企業が単なる技術開発や市場シェアの拡大だけでなく、企業の社会的責任やコンプライアンスを重視する段階に入ったことを示唆している。また、アップルをはじめとするグローバル企業も独自のAI技術開発を進めており、Metaの著名なAI科学者であるヤン・ルカン氏 (Yann LeCun)が新会社を設立するなど、技術開発競争は一層激しさを増している。

日本への影響と今後の展望

Unitree Roboticsの上場準備は、日本の産業用ロボットメーカーにとって新たな競争圧力となる。同社が調達資金を研究開発やグローバル展開に充てれば、高性能な四足歩行ロボットの価格競争力が高まり、安川電機やファナックといった日本の主要企業がシェアを奪われる可能性がある。特に、産業用からコンシューマー向けまで幅広い製品群を持つUnitreeの戦略は、多角的な市場への浸透を狙う日本のロボット産業にとって脅威となりうる。

一方、シャオミが表明した消費者保護強化の動きは、日本企業にとって中国市場でのビジネス環境改善の兆しと捉えられる。これまで契約内容の不透明性など、中国市場特有の商慣行に苦慮してきた日本企業は少なくない。シャオミのような大手企業が率先して透明性の高い情報提供を徹底することで、中国市場全体のビジネス慣行が改善されれば、日本の家電メーカーやITサービス企業がより安心して事業展開できる機会が生まれるだろう。

ただし、ROMOSSが3C認証の再取得を計画しているように、中国市場では規制や慣行が頻繁に変化するリスクも依然として存在する。日本企業は、個別の中国企業の動向だけでなく、中国政府の政策や規制変更の動きも注視し、サプライチェーンや事業戦略の柔軟な見直しを常に検討する必要がある。