シャオミ(Xiaomi)は、MINI LED技術を搭載した新型テレビ「Sシリーズ」および「S Proシリーズ」を中国市場で発表した。業界最高水準のスペックと戦略的な価格設定を両立させており、85インチモデルは7999元(約17万円)から提供される。高性能・低価格を武器に、競争が激化するテレビ市場でのシェア拡大を目指す。

高輝度・高精細を実現するMINI LED技術

新型テレビは、ベゼル幅を4.6mm、画面の非述べた領域を0.9mmに抑えたスリムなデザインが特徴だ。バックライトには高密度なMINI LEDを採用し、画面サイズに応じて分割数を最適化。輝度とコントラストをきめ細かく制御することで、高品質な映像を実現した。バックライトの分割ゾーン数は、65インチで1792、75インチで2304、85インチで2880、最大サイズの98インチでは3864に達する。

戦略的な価格設定と販売チャネル

価格は、Sシリーズの85インチモデルが7999元(約17万円)に設定されている。ECサイトのキャンペーンを適用すると、4759元(約10万円)で購入可能だ。上位モデルのS Proシリーズ(85インチ)は、発売記念価格が1万499元(約22万円)で、こちらもキャンペーン適用後は6427元(約14万円)となる。販売はEC大手のJD.com(京東)(JD.com)などを通じて行われ、大型の割引クーポンも提供されると新華社通信は伝えている。

独自OSとカスタムチップによる高性能化

性能面では、業界トップクラスの広視野角・低反射スクリーンを採用。ピーク輝度は5200ニトに達し、画面は4K/165Hzに対応、最大で330Hzの高リフレッシュレートも実現する。OSにはシャオミ独自の「HyperOS(澎湃OS)」を搭載し、スマートフォンなど同社製品との連携を強化。さらに、「マスター画質エンジン」やテレビ向けにカスタム設計された画質向上チップ「XM9000」、2.1.2チャンネルの音響システムも備え、総合的な性能を高めている。

日本への影響と示唆

シャオミの新型MINI LEDテレビの戦略は、日本市場のテレビメーカーにとって直接的な脅威となる。特に、85インチモデルが7999元(約17万円)という価格設定は、高画質・大型テレビ市場における価格競争を激化させる。日本のソニーやパナソニックといったブランドは、これまで培ってきた画質技術やブランド力で高価格帯を維持してきたが、シャオミがピーク輝度5200ニト、4K/165Hz対応といった最高水準のスペックを低価格で提供することで、消費者の選択肢が広がり、日本メーカーの価格プレミアムが維持しにくくなる可能性がある。

一方で、この動きは日本企業に新たな機会も生む。シャオミが「HyperOS」を搭載し、スマートフォンとの連携を強化している点は、IoTエコシステム構築の重要性を示唆する。日本の電機メーカーは、自社製品間の連携強化に加え、他社とのオープンな連携も視野に入れるべきだ。また、シャオミが「XM9000」のようなカスタムチップを投入し、画質向上に注力していることは、半導体関連企業にとってのビジネスチャンスとなる。日本の半導体製造装置メーカーや素材メーカーは、このような高性能テレビ向けチップの需要増加を見込み、技術開発や供給体制を強化することで、新たな収益源を確保できるだろう。

最後に、シャオミがJD.com(京東)などのECサイトで大規模な割引クーポンを提供している点は、流通戦略の再考を促す。日本企業も、単なる製品販売だけでなく、ECプラットフォームとの連携強化や、データに基づいたプロモーション戦略の最適化が求められる。