中国不動産企業データベース
日本では報道されない中国不動産業界の「リアル」を可視化。恒大、碧桂園、万科――倒産・デフォルト・事実上の国有化が同時進行する中、何社が消え、何社が国家に救われたのか。売上や規模ではなく、「生存」と「破綻」という最終結果から、中国不動産バブル崩壊の本質を読み解く。
✅ 政府ホワイトリスト企業
20社✅ 政府ホワイトリスト企業 (20社)
保利発展
保利发展【不動産不況の勝者】軍需系商社をルーツに持つ中央国有企業。民営の自滅によりシェアを奪い、売上高で業界首位に。資金調達コストが極めて低く、優良地を独占的に取得中。...
中海地産
中海地产【最も稼ぐ国有企業】コスト管理と品質管理に定評があり「工科中海」と呼ばれる。利益率は業界最高水準。香港資本のノウハウと国有の信用力を併せ持つ。...
万科企業
万科企业【混合所有の限界】かつての業界優等生だが、2024-25年の流動性危機で「混合所有」の脆弱性が露呈。深セン地下鉄(国有)の支援で辛うじて生存。物流部門(GLP関...
華潤置地
华润置地【高級モール万象城】商業施設「万象城(MixC)」が圧倒的なブランド力を持つ。三井不動産と中国国内での運営ノウハウ共有や共同プロジェクトの実績あり。住宅と商業の...
招商蛇口
招商蛇口【深セン改革開放の祖】招商局集団傘下。港湾・物流パーク開発と一体化した都市開発が得意。クルーズ船事業なども手掛ける。資金力は潤沢。...
緑城中国
绿城中国【デザインの緑城】かつての民営だが、現在は中交集団(CCCG)傘下の混合所有(実質国有)。デザインと品質へのこだわりは業界随一。受託開発(代建)ビジネスが急成長...
建発国際
建发国际【サプライチェーン不動産】厦門(アモイ)市政府系商社が母体。豊富な資金力を背景に、民営企業が手放した土地を安値で取得し急成長。ここ数年の成長率は業界トップクラス...
龍湖集団
龙湖集团【民営の優等生】商業施設「天街」の安定収益により、民営大手で唯一「投資適格」級の評価を維持(一部格下げあり)。財務規律が極めて高く、三道紅線は緑色を維持。日本企...
越秀地産
越秀地产【地方国有の星】広州市政府系。TOD(公共交通指向型開発)に強みを持ち、地下鉄駅直結物件などを多数開発。不況下でも逆張りで土地を買い進めるなど勢いがある。...
中国金茂
中国金茂【金茂府ブランド】中化集団(Sinochem)傘下。富裕層向けのハイテク・エコ住宅「金茂府」ブランドで知られる。高級路線のため市場価格下落の影響を受けやすいが、...
旭輝控股
旭辉控股【民営準大手】質の高い経営で知られたが、市場全体の信用収縮に巻き込まれ外債デフォルト。しかし国内での評価は比較的高く、ホワイトリスト入りでプロジェクトは稼働中。...
新城控股
新城控股【商業不動産の両輪】ショッピングモール「吾悦広場」からの賃料収入がキャッシュフローを下支え。住宅販売の不振を商業で補うモデルで、デフォルトを回避している。...
華発股份
华发股份【珠海特区の顔】珠海市政府系。マカオ・香港に隣接する地の利を活かし安定成長。地方国有企業同士の連携で全国展開を進めている。...
碧桂園(カントリーガーデン)
碧桂园【地方都市の巨人】三線・四線都市に大量の土地を持つが、地方市況の悪化が直撃。ホワイトリスト入りで首の皮一枚繋がるも、販売回復は見えず。過去に日本法人(CG Ja...
浜江集団
滨江集团【民営の良心】杭州エリアに集中特化し、全国展開を追わなかった戦略が奏功。従業員数は少ないが一人当たり生産性が極めて高い。財務規律は民営トップクラス。...
金地集団
金地集团【老舗の混合所有】「招保万金」と呼ばれた伝統的4大デベロッパーの一角。株主構成が分散しており、2024年に流動性懸念が出たが、資産売却と銀行支援で持ち堪えている...
融創中国(サナック)
融创中国【早期再編組】業界で最も早く債務再編を完了させたが、本業の販売不振が続き二次デフォルトの懸念あり。高級住宅に強みがあるが、富裕層の買い控えが痛手。日本企業との目...
金科股份
金科股份【重慶の雄】中国内陸部を代表する民営企業。資金繰り悪化で司法再建を申請。長城資産(AMC)が支援に入っており、国有化または解体の瀬戸際。...
仁恒置地
仁恒置地【外資の品質】シンガポール上場。上海・南京・蘇州などで富裕層向け住宅を展開。品質への信頼が厚い。三井不動産や三菱地所との共同開発プロジェクト(蘇州、南通など)を...
緑城管理
绿城管理【代建(受託開発)の王】自社で土地を買わず、他社や政府のプロジェクトを設計・施工管理・販売代行する「軽資産(アセットライト)」モデルの最大手。不動産不況下でも最...