2026年を見拠え、中国のスマートフォン市場でAI(人工知能)機能の搭載競争が激化している。ファーウェイ(ファーウェイ技術)やシャオミ(シャオミ)などの大手メーカーは、AIモデル開発企業と連携し、インターネット接続を必要としないデバイス上でのAI処理能力の向上を急いでいる。世界最大のスマートフォン市場である中国でのこの動きは、世界のIT業界全体に大きな影響を与える可能性がある。

AI搭載で差別化図るスマホ大手

中国のスマートフォン市場では、これまで低価格を武器にした競争が主流と見なされてきた。しかし、市場が成熟するにつれ、ファーウェイ、シャオミ、OPPO(オッポ)(オッポ)といった大手メーカーは、製品の差別化要因としてAI機能の強化に注力している。実際には、高性能なAIを搭載した高付加価値モデルが消費者の人気を集める傾向が強まっている。

各社はカメラの画像補正や音声アシスタント、リアルタイム翻訳といった機能にAIを積極的に活用。スマートフォンの基本的に性能が頭打ちとなる中、独自のAI機能が消費者の購入意欲を左右する重要な要素となりつつある。

モデル開発企業との連携が加速

デバイス上でのAI性能向上に向け、スマートフォンメーカーとAIモデル開発企業の連携が活発化している。3月下旬には、複数の中国国内メーカーがデバイス上で動作するAIの能力を向上させたと発表。また、4月初旬には米グーグルがオープンソースの小規模言語モデル「Gemma」シリーズを発表するなど、外部環境も整いつつある。

メーカー各社は、これらのAIモデルを自社製品に最適化することで、より高速でプライバシーにも配慮したAI機能の実現を目指している。新華社通信によると、この連携は今後さらに加速すると報じられている。これにより、クラウドを介さずに高度な処理を実行できる「エッジAI」の普及が本格化する見通しだ。

日本への影響と今後の展望

中国スマートフォン市場におけるAI搭載競争の激化は、日本企業に新たな事業機会と同時に、既存ビジネスモデルの再考を迫る。まず、ソニーや村田製作所といった日本の電子部品メーカーには、AI処理能力向上に不可欠な高性能半導体やセンサー、放熱部品などの需要拡大が見込まれる。特に、ファーウェイやシャオミがデバイス上でのAI処理能力向上を急ぐ中、エッジAI向けに最適化された部品開発は、新たな収益源となる。

次に、日本のソフトウェア開発企業やAIスタートアップには、中国メーカーとの連携による技術提供や共同開発の機会が生まれる。例えば、カメラの画像補正やリアルタイム翻訳といったAI機能の強化は、日本の得意とする画像処理技術や自然言語処理技術の応用余地を示す。ただし、中国企業との連携においては、技術流出リスクや知的財産権保護の課題に留意し、契約内容を厳格に精査する必要がある。

一方で、日本のスマートフォン市場における競争激化も予想される。中国メーカーがAI機能を武器に高付加価値モデルを投入することで、日本の消費者も高性能AI搭載スマートフォンへの関心を高める可能性がある。これにより、シャープやFCNT(旧富士通コネクテッドテクノロジーズ)などの国内メーカーは、AI機能の差別化やコスト競争力強化を迫られる。特に、中国メーカーが「3月下旬」や「4月初旬」にデバイス上AIの能力向上を発表しているように、技術開発のスピード感は日本の比ではないため、迅速な対応が求められる。