Alibabaグループが、AIアシスタントアプリ「Qwen通義千問)」の利用促進のため、旧正月期間中に大規模なキャンペーンを実施した。0.01元(約0.2円)で25元(約500円)かなりのミルクティーが購入できるという内容で、アクセスが殺到しサーバーがダウン。一部のミルクティー店ではデリバリー注文の受付を停止する事態となった。

0.01元キャンペーンにアクセス殺到

AlibabaのAIアシスタント「Qwen通義千問) (Tongyi Qianwen)」が、旧正月期間中にユーザー獲得を目的としたキャンペーンを展開した。利用者はアプリに「ミルクティーを買って」と指示するだけで、通常価格25元(約500円)のミルクティーをわずか0.01元(約0.2円)で購入できるという破格の内容だ。

このキャンペーンがSNSなどで拡散されると、開始直後からアクセスが集中。アプリのサーバーが一時的にダウンし、多くの利用者が接続できない状況に陥った。AIアシスタントのシェア拡大を狙った積極的な販促策が、想定を超える反響を呼んだ形だ。

注文殺到で店舗は受付停止

サーバーダウンに加え、提携するミルクティー店にも注文が殺到した。一部の店舗では、想定を大幅に超える注文に対応しきれず、デリバリー注文の受付を一時停止する措置を取った。中国のSNS上では、購入に失敗した利用者からの不満の声が相次いだと、複数の現地メディアが報じている。

今回の事態は、AIを活用した販促キャンペーンの威力を示すと同時にに、それを支えるインフラや提携店舗の対応能力という課題を浮き彫りにした。

日本への影響と今後の展望

AlibabaグループのAIアシスタント「Qwen通義千問)」が仕掛けた0.01元(約0.2円)ミルクティーキャンペーンは、日本企業にとって二つの具体的な示唆を与える。第一に、中国市場におけるAIを活用した超低価格プロモーションの破壊力である。通常500円相当のミルクティーが実質無料になるキャンペーンは、サーバーダウンを引き起こすほどの需要を喚起した。これは、日本の消費者向けサービス企業が中国市場で競争する際、価格競争に加え、AIを駆使した革新的な販促手法への対応が不可欠であることを示唆する。特に、Alibabaのような巨大プラットフォーマーがAIを武器に市場シェアを奪いに来るリスクは現実的だ。

第二に、キャンペーンの裏側で露呈したサプライチェーンとインフラの脆弱性である。注文殺到で一部のミルクティー店がデリバリー受付を停止した事態は、需要喚起能力と供給能力のミスマッチがビジネス機会損失に直結することを示す。日本の食品・飲料メーカーや小売業が中国市場でAI連携の販促を検討する際、単なる需要予測だけでなく、提携する現地店舗のキャパシティや物流インフラの堅牢性を事前に徹底的に評価する必要がある。特に、旧正月のようなピーク時期に大規模キャンペーンを展開する場合、システム負荷と供給網の限界を考慮しなければ、顧客満足度低下やブランドイメージ毀損のリスクを負うことになる。