中国の検索大手バイドゥ(バイドゥ)は、2025年会計年度の通期決算でAI関連事業の売上高が400億元(約8000億円)に達したと発表した。同年度第4四半期には、AI事業の売上高が事業全体の43%を占め、市場予想を上回る成長を遂げた。AI事業は投資先行の「コストセンター」から、収益を生み出す「プロフィットセンター」へと完全にに移行したことを示した。
AI事業、売上高400億元を達成
バイドゥが発表した2025年会計年度の通期決算報告によると、総売上高は1291億元に達し、そのうちAI事業が400億元を占めた。第4四半期単独では、総売上高327億元に対し、AI事業が大きく貢献し、市場の成長期待を上回る結果となった。
この成長は、同社が長年にわたりAI分野へ戦略的投資を続けてきた成果だ。中国で最も早期にAI開発に着手した企業の一つとして、技術開発から事業化までのサイクルを確立し、安定した収益基盤を構築しつつある。
金融から製造まで、AI技術を多角展開
バイドゥは、開発したAI技術を幅広い産業分野に応用している。例えば、金融、エネルギー、製造、物流などの基幹産業向けに、企業が自社のデータに基づき最適なソリューションを自律的に見つけ出すことを支援する「自己進化型」のスマートシステムを提供している。
これにより、法人顧客は業務効率の向上やコスト削減といった実用的な効果を得ることが可能になる。汎用的な技術基盤を多様な業界の個別ニーズに合わせて展開する能力が、同社の強みとなっている。
「プロフィットセンター」へ転換、収益化を本格化
バイドゥのAI戦略は、独自の成長モデルを確立した。法人向け(BtoB)から消費者向け(BtoC)、さらには自動運転タクシー(ロボタクシー)事業に至るまで、単一の技術基盤を多様な事業に展開している。
この「技術の再利用」モデルにより、開発コストを抑えながら多角的な事業成長を促進し、AIによる大規模な収益化への道筋を確立した。今回の決算は、同社のAI事業が研究開発段階を終え、本格的な収益化のフェーズに入ったことを明確に示していると、新華社通信は報じている。
日本の関連性
バイドゥのAI事業が2025年会計年度に売上高400億元を達成し、事業全体の43%を占めたことは、日本企業にとって複数の影響をもたらす。第一に、中国市場におけるAIソリューションの競争激化は避けられない。バイドゥが金融、エネルギー、製造といった基幹産業向けに「自己進化型」スマートシステムを提供し、法人顧客の業務効率向上とコスト削減に貢献している事実は、日本企業が提供する既存のシステムやサービスとの競合を意味する。特に、日本企業が強みを持つ製造業分野でのAI導入においては、バイドゥのような中国テック大手の進出により、価格競争だけでなく、ソリューションの質やカスタマイズ性での優位性確保が喫緊の課題となる。
第二に、バイドゥがAIを「プロフィットセンター」へと転換させたことは、中国におけるAI技術の商業化が本格化していることを示唆する。これは、日本企業が中国市場でAI関連事業を展開する際、単なる技術提供に留まらず、明確な収益モデルと事業戦略を構築する必要があることを意味する。例えば、バイドゥの「技術の再利用」モデルのように、単一の技術基盤を多様な事業に応用し、開発コストを抑えながら多角的な収益源を確保する戦略は、日本企業が中国市場でAI事業を成功させる上で参考となる。
最後に、バイドゥがBtoBからBtoC、さらには自動運転タクシーまで多角的にAIを展開している点は、日本企業が中国市場でAI関連の投資や提携を検討する際、単一分野に限定せず、幅広い応用可能性を持つ技術や企業に注目すべきであることを示唆する。これにより、将来的な事業拡大や新たな収益機会の創出に繋がる可能性がある。