中国の動画配信大手bilibiliが発表した直近の決算で、日次アクティブユーザー(DAU)が1.17億人、月次アクティブユーザー(MAU)が3.76億人に達したことが明らかになった。AI技術を活用した広告事業が好調で、プラットフォームの収益化とクリエイターエコシステムの強化が進んでいる。

ユーザー基盤の拡大と若年層への浸透

bilibiliのユーザー基盤は着実に拡大を続けている。MAUは3.76億人に達し、そのうちDAUは1.17億人と、高いエンゲージメントを維持している。ユーザーの平均年齢は26歳だが、新規ユーザーの平均年齢は23歳と、特に中国の若年層から強い支持を集めていることがうかがえる。

AI活用で広告事業が成長

事業の成長を牽引しているのが広告事業だ。直近の決算期には2.2億人を超えるユーザーが消費関連のコンテンツを視聴しており、高いコンバージョンが期待できるプラットフォームとして広告主からの評価が高まっている。

同社はAI広告プラットフォーム「ビリ必達(Bili-Bida)」を導入し、広告配信の効率化を推進。これにより、プラットフォーム上で活動するクリエイター(通によると「UP主」)の平均収入も前年比で22%増加した。新華社通信など複数の現地メディアが、このエコシステムの好循環がbilibiliの競争力を高めていると報じている。

日本への影響と今後の展望

bilibiliのAI広告による収益化成功は、日本企業にとって二つの具体的な影響をもたらす。第一に、中国の若年層市場へのリーチ機会拡大である。MAU3.76億人、DAU1.17億人という巨大なユーザー基盤、特に平均年齢23歳という新規ユーザー層は、日本のコンテンツや製品にとって極めて魅力的なターゲットだ。AI広告プラットフォーム「ビリ必達(Bili-Bida)」は、精緻なターゲティングを可能にし、日本のゲーム、アニメ、化粧品メーカーなどが効率的に広告を配信し、ブランド認知を高め、直接的な購買に繋げる可能性を提供する。

第二に、中国市場におけるクリエイターエコシステムの変質と、それに伴う日本企業のパートナーシップ戦略の見直しが求められる。bilibiliのクリエイター平均収入が22%増加した事実は、プラットフォーム上の「UP主」のプロフェッショナル化と影響力増大を示唆する。これは、日本の企業が中国市場でインフルエンサーマーケティングを展開する際、従来の広告代理店を通じた手法だけでなく、bilibiliのようなプラットフォームと直接連携し、AIを活用した効果的なクリエイターコラボレーションを模索すべきであることを意味する。例えば、日本のIPホルダーは、bilibiliのAI分析に基づき最適なUP主を選定し、共同でコンテンツを制作することで、より深く中国の若年層に浸透できるだろう。