2024年4月の中国自動車市場における各社の販売実績が相次いで発表された。最大手のBYD31万3,245台を販売して首位を堅持したほか、Chery(Chery(奇瑞))汽車、吉利汽車(ジーリー)(ジーリー)が続いた。各社とも輸出が大幅に増加しており、海外市場での存在感を高めている。新興EVメーカーも堅調で、市場参入直後のシャオミも好調な滑り出しを見せた。

BYDが首位堅持、輸出は177%増

BYDの4月の販売台数は31万3,245台となり、前年同月比で49%増加した。このうち、輸出は4万1,011台に達し、前年同月比176.6%増と急拡大している。

2位のChery(Chery(奇瑞))汽車は18万2,049台(同43.7%増)を販売。特に輸出が好調で、海外販売は過去最高を記録した。3位の吉利汽車(ジーリー)(ジーリー)も15万3,267台(同39%増)を販売し、輸出は3万8,151台(同75%増)と全体の伸びを牽引した。

新興勢力も躍進、シャオミは受注好調

新興EVメーカーも好調な販売を維持している。NIO(ニオ)は1万5,620台(同134.6%増)、XPeng(シャオペン)は9,393台(同33%増)、Li Auto(リ・オート)は2万5,787台だった。ZEEKR(ジーカー)は1万6,089台(同99%増)と大幅に販売を伸ばした。

中でも注目されるのが、スマートフォン大手のシャオミだ。同社初のEV『SU7』は、4月3日から納車を開始し、同月末までに7,058台を納車したと発表。受注は極めて好調で、市場に衝撃を与えている。

価格競争激化、各社は輸出に活路

各社の販売増の背景には、中国国内市場での激しい価格競争がある。多くのメーカーが値下げに踏み切っており、販売台数を確保する一方で収益性が課題となっている。中国汽車工業協会によると、こうした国内の過当競争を避け、新たな成長を求めて輸出を強化する動きが鮮明だ。

特に欧州や東南アジア、中南米市場への進出が加速している。日本市場においても、BYDが乗用車展開を本格化させており、今後、他の中国メーカーの参入が続くとみられる。グローバル市場での競争激化は必至の情勢だ。

まとめ:日本への示唆

中国自動車メーカーの輸出急増は、日本市場に直接的な競争圧力をもたらす。BYDの輸出が前年同月比176.6%増と急拡大しているように、中国勢は国内の過当競争を背景に海外市場へ活路を見出しており、日本への乗用車展開も本格化している。これにより、国内市場でトヨタやホンダといった既存メーカーは、BYDのドルフィンやアット3といったEV車種との価格競争に直面し、収益性が圧迫されるリスクがある。

また、シャオミのEV「SU7」が発売からわずか1ヶ月足らずで7,058台を納車した事実は、異業種からの新規参入組が短期間で市場シェアを獲得し得ることを示唆している。これは、ソニー・ホンダモビリティのような日本の新規EVメーカーにとっても、技術力だけでなく、ブランド力やサプライチェーン構築のスピードが競争優位性を左右する重要な要素となることを意味する。

さらに、Chery(奇瑞)汽車や吉利汽車(ジーリー)が輸出を大幅に拡大している現状は、日本メーカーの主要な輸出先である東南アジアや中南米市場におけるシェア奪取のリスクを高める。特に、中国メーカーがEVシフトを加速させる中で、ガソリン車中心の日本メーカーは、これらの市場で競争力を維持するために、EV戦略の加速と価格競争力強化が喫緊の課題となる。