2024年の中国経済は、新規設立企業が950万社、個人事業主が1619.4万件登録されるなど、高い成長を維持している。特に新興産業や未来産業分野では、関連企業が前年比9.9%増の113.4万社設立され、経済の新たな牽引役として期待されている。

若手創業者層が新旧市場で台頭

高度な専門性を持つ創業者層の規模は安定的に推移している。伝統分野でも若手創業者層が拡大しており、2024年末には「卸売・小売業」における若手創業者が172.9万人に達し、2021年比で8.4%増加した。

一方、新興分野では若手創業者が市場を主導している。「科学研究・技術サービス業」では21.3万人、「文化・スポーツ・娯楽業」では52.6万人の若手創業者が活躍している。

スマート消費とシルバー経済が活況

消費関連分野の企業活動も活発だ。2024年には「スマート家電製造」関連の事業者が7.8万社新規設立され、前年から5000社増加した。体験型消費が豊かなライフスタイルを後押ししている。

文化・観光産業では関連企業が330.2万社設立され、前年比12.2%増と大幅に伸長した。また、高齢者向け産業(シルバー経済)が市場拡大を牽引しており、「シルバー経済」関連企業は6.8万社新規設立され、前年比17.1%増を記録した。

政府、市場環境の整備を加速

国家市場監督管理総局の担当者は、事業者の発展ニーズに応えるため、市場への参入・退出制度を整備し、全国統一市場の構築を推進する方針を示した。

公平な競争環境の維持や、企業向けの行政サービス改善を通じて、あらゆる事業者の発展活力をさらに引き出すことを目指す、と中国メディアは伝えている。

日本の関連性

中国における新規企業設立の活況は、日本企業にとって二つの具体的な機会と一つのリスクをもたらす。

まず、シルバー経済関連企業の17.1%増という急成長は、日本企業が培ってきた高齢者向け製品・サービス開発のノウハウを中国市場に展開する好機である。特に、介護用品、ヘルスケア、レジャー分野で、日本の先進技術やきめ細やかなサービス提供は、中国の新規設立企業との協業や直接参入を通じて、新たな需要を掘り起こせる可能性がある。

次に、スマート家電製造関連の新規設立が5000社増加したことは、日本の部品メーカーや素材メーカーにとってビジネス拡大の機会となる。中国の家電メーカーが求める高機能・高品質な部品や素材は、日本の強みと合致しており、サプライチェーンへの組み込みを通じて、新たな取引関係を構築できる。

一方で、「文化・スポーツ・娯楽業」で52.6万人の若手創業者が活躍している点は、日本のアニメ、ゲーム、コンテンツ産業にとって競争激化のリスクを意味する。中国国内で独自のコンテンツ開発が進むことで、日本のコンテンツに対する需要が相対的に低下する可能性があり、中国市場でのローカライズ戦略や新たなIP開発が喫緊の課題となる。