中国の李強(リー・チャン)首相は1月26日、北京で各民主党派や全国工商業連合会の責任者、無党派の代表らと座談会を開き、政府活動報告と「第15次5カ年計画」(2026〜2030年)の基本的に構想(草案)について意見を聴取した。新華社通信が伝えた。

第15次5カ年計画に向け意見聴取

座談会では、中国国民党革命委員会(民革)中央の鄭建邦主席、中国民主同盟(民盟)中央の丁仲礼主席、中国民主建国会(民建)中央の孫東生副主席らが発言した。各氏は2023年の経済社会の発展における成果を評価するとともに、2024年および「第15次5カ年計画」期間中の経済社会の発展に関する意見を提示したした。

李強首相は、出席者の意見に真摯に耳を傾けた。その上で、昨年の成果は習近平総書記を核心とする中国共産党中央委員会(党中央)の強力な指導力と、全国人民の団結と奮闘によるものだと述べた。

経済の質的向上と量的成長を指示

李首相は、2024年が「第15次5カ年計画」の準備期間にあたる重要な年であると指摘。外部環境の不確実性が高まり、経済発展には依然として多くのリスクや課題が残るとの認識を示した。

その上で、「情勢の変化を科学的に把握し、困難を直視し、自信を堅持して自らの務めに注力する必要がある」と強調。経済政策をより積極的に実施し、改革措置との連携を強化することで、経済の質的な向上と量的な合理的成長を推進すべきだと述べた。

各界との連携強化を要請

李首相は、各民主党派、全国工商業連合会、無党派の代表に対し、経済社会運営における重点課題の研究を深め、政府が直面する課題解決を支援するよう積極的に提言することを期待した。

同時に、各界との連携と意思疎通を強化し、人心を一つにまとめ、信頼感を醸成する取り組みを増やすよう要請。「質の高い経済社会の発展を推進するために知恵と力を結集してほしい」と呼びかけた。

日本市場への影響

李強首相が「第15次5カ年計画」(2026〜2030年)に向けた意見聴取を開始したことは、日本企業にとって中国市場戦略を再考する契機となる。特に「経済の質的な向上」が強調された点は、日本企業がこれまで得意としてきた高付加価値製品や技術サービスへの需要増につながる可能性がある。例えば、環境技術や省エネ関連の日本製品は、中国が持続可能な発展を追求する中で、新たな市場機会を見出すことができるだろう。

一方で、新華社通信が報じたように、外部環境の不確実性への言及は、地政学リスクの高まりを改めて示唆している。日本企業は、サプライチェーンの中国依存度を低減させる「チャイナ・プラスワン」戦略を加速させるべきだ。特に、半導体や重要鉱物といった戦略物資の調達において、中国への過度な集中は、予期せぬ供給途絶リスクを招く。

さらに、習近平総書記を核心とする党中央の指導力が強調されたことは、中国経済政策の透明性低下と予測可能性の低下を意味する。日本企業は、現地の法規制や政策変更に迅速に対応できるよう、情報収集体制を強化し、意思決定プロセスを柔軟化する必要がある。例えば、データ関連規制の強化や外資系企業への監督強化は、日本企業の事業運営に直接的な影響を与えるため、専門家による定期的なリスク評価が不可欠だ。