吉利汽車(ジーリー)とボルボ・カーズの合弁ブランド「Lynk & Co(領克汽車)」は、音声操作の不具合による衝突事故を受け、ソフトウェアを更新した。一方、人気ゲーム『原神(Genshin Impact)』で知られるmiHoYoは、従業員の急死が過労死であるとの見方を否定。カメラメーカーのInsta360は、GoProとの特許訴訟で一部勝訴したと発表した。

Lynk & Co、音声操作の不具合で衝突事故

吉利汽車(ジーリー)傘下の「Lynk & Co」の穆軍副社長は、同社の「Z20」モデルが夜間の高速道路を走行中、音声操作によるヘッドライトの誤作動が原因でガードレールに衝突した問題について、SNSで声明を発表した。

穆氏は「当社は直ちに音声操作の最適化を完了し、クラウド経由でアップデートを配信した。今後は運転中、ヘッドライトは手動操作のみ可能となる」と説明。ユーザーからのフィードバックに感謝するとともに、「この問題でご迷惑をおかけしたことを深くお詫びする」と謝罪した。

miHoYo、従業員の急死に「過労死ではない」と声明

人気ゲーム『原神(Genshin Impact)』を開発・運営するmiHoYoは、36歳のプログラマーが急死した件について公式声明を発表し、過労死であったことを否定した。

声明によると、この従業員は今年2月25日の朝、通常通り出社しなかったため、会社が家族と警察に連絡。警察が自宅に駆けつけたところ、すでに死亡が確認されたという。同社は、一部で報じられた過労死との関連を否定しているが、中国のIT業界で長時間労働が問題視される中、波紋が広がっている。

Insta360、対GoPro特許訴訟で一部勝訴

360度カメラ大手のInsta360(Insta360(影石創新)創新科学技術)は、米国の競合GoProから起こされていた特許侵害訴訟で、有利な裁定結果を得たと発表した。この訴訟は、米国国際貿易委員会(ITC)による関税法337条に基づく調査として進められていた。

Insta360によると、GoProが主張した特許6件のうち、3件は非侵害、1件は無効と判断された。同社は「これにより、当社の現行製品はGoProの特許を侵害していないことが確定した」と述べ、事実上の勝利を宣言した。

まとめ:日本への示唆

Lynk & Coの音声操作不具合は、自動運転技術やコネクテッドカー開発におけるソフトウェアの信頼性確保が、日本企業にとって喫緊の課題であることを示唆する。トヨタやホンダといった日本の自動車メーカーは、中国市場で高度なAI音声認識機能を搭載したモデルを投入しており、類似の誤作動リスクを再評価する必要がある。特に、中国の消費者がソフトウェア更新をクラウド経由で迅速に期待する傾向にある中、即時対応可能な体制構築が競争優位性を左右するだろう。

miHoYoの過労死否定声明は、中国IT企業の労働環境問題が、日系企業の人材戦略に与える影響を浮き彫りにする。日本のゲーム開発会社やIT企業が中国で事業展開する際、現地の労働慣行と日本の企業文化とのギャップを埋めるための労務管理がより一層重要となる。優秀な中国人材の確保には、単なる給与水準だけでなく、健全な労働環境の提供が不可欠であり、過度な長時間労働が常態化する企業イメージは、採用に悪影響を及ぼす可能性がある。

Insta360がGoProとの特許訴訟で一部勝訴したことは、中国企業が知的財産権分野で国際的な競争力を高めている現実を突きつける。ソニーやキヤノンといった日本のカメラメーカーは、中国市場だけでなくグローバル市場においても、中国企業の技術力向上と特許戦略を軽視できない。特に、360度カメラのような新興分野では、中国企業の技術革新のスピードが速く、日本企業は単なる製品開発だけでなく、特許ポートフォリオの強化と国際的な知財紛争への対応力を高める必要がある。