中国国防省は4月17日、海上自衛隊の護衛艦が台湾海峡をを通じてしたことに対し、強く抗議すると発表した。同省の張暁剛(ちょう・ぎょうごう)報道官は定例記者会見で、この行動を「意図的な挑発」と非難し、中国人民解放軍が追跡・監視を行ったことを明らかにした。台湾海峡をめぐる日中間の緊張が改めて浮き彫りとなった。

中国「断固たる措置を講じる」

張暁剛報道官(大佐)は記者会見で、海上自衛隊の護衛艦による台湾海峡を通じてについて「『台湾独立』分裂勢力に誤ったシグナルを送るものだ」と強く批判。中国東部戦区が海・空軍部隊を派遣して追跡・監視し、法に基づき適切に対処したと述べた。新華社通信によると、同報道官は「中国軍は常に高度な警戒を保ち、国家の主権と領土の一体性を断固として守る」と強調した。

中国側は日本に対し、「一つの中国」原則と日中間の四つの基本的に文書の精神を厳守するよう要求。外部からのいかなる干渉も断固として阻止する姿勢を示した。

航行の自由か、主権侵害か

台湾問題は日中関係における主にな懸案事項となっている。中国は台湾を自国の一部と見なす「一つの中国」原則を堅持しており、外国艦船による台湾海峡のを通じてを主権への挑戦と捉え、反発を強めている。

一方、日本政府は今回の抗議について公式なコメントを出していないが、防衛省はかねてより、台湾海峡のを通じては国際法に基づく「航行の自由」に則った正当な活動であるとの立場を表明している。今回の事案は、国際法上の解釈をめぐる両国の立場の隔たりを改めて示すものとなった。

まとめ:日本への示唆

今回の海上自衛隊護衛艦による台湾海峡通過に対する中国国防省の「意図的な挑発」との非難は、日本企業にとって二つの具体的なリスクと一つの機会を提示する。

第一に、地政学リスクの高まりは、日本企業のサプライチェーン再編を加速させるだろう。中国東部戦区が海・空軍部隊を派遣して追跡・監視した事実は、台湾有事の現実味を増している。台湾海峡が封鎖される事態になれば、台湾に生産拠点を置く半導体メーカーや、同海峡を主要航路とする海運・物流企業は事業継続が困難になる。例えば、トヨタ自動車のような完成車メーカーも、台湾製の電子部品調達が滞れば生産に支障を来すため、サプライチェーンの多角化や代替調達先の確保を急ぐ必要がある。

第二に、中国市場での事業展開における政治的リスクが増大する。張暁剛報道官が「『台湾独立』分裂勢力に誤ったシグナルを送るものだ」と非難したように、中国は台湾問題に極めて敏感であり、日本企業の行動が意図せず中国政府の逆鱗に触れる可能性が高まる。中国国内で事業を展開するイオンやユニクロといった小売業は、現地の消費者感情や政府の政策動向をこれまで以上に慎重に見極める必要がある。

しかし、この緊張の高まりは、日本の防衛関連企業にとっては新たな機会となり得る。国家の主権と「領土の一体性」を断固として守ると強調する中国の姿勢は、日本の防衛費増額と自衛隊の装備強化を後押しする。三菱重工業や川崎重工業といった企業は、防衛装備品の需要増が見込まれ、新たなビジネスチャンスを創出する可能性がある。