中国人民解放軍は、習近平国家主席が提唱する「強軍思想」の指導に基づき、新たな時代の使命と任務の遂行を目指し、軍事戦略指導を刷新し、戦略配置の最適化を進めている。平時における軍事力運用を計画的に進め、訓練と実戦運用の一体化、兵力運用の常態化を強力に推進し、中国軍の軍事力運用は新たな局面を迎えている。全軍の将兵らは、揺るぎない意志と柔軟な戦略、そして強力な軍事行動によって、国家の主権、安全、発展の利益を断固として守り抜く構えだ。

海空での常態化演習を強化

中国人民解放軍は、変化する国際情勢に対応し、海空での常態化演習を強化している。今年春には、西太平洋海域とフィリピン・ルソン島東方沖で海軍艦艇部隊が演習を実施。実弾射撃、海空協同、高速機動、洋上補給などを行い、統合された共同作戦能力を検証した。東部戦区と南部戦区の発表によると、これらは「年間計画に基づく定例訓練」であり、「常態的に関連軍事行動を実施している」という。今年に入り、東シナ海、南シナ海、台湾海峡など複数の地域で、海洋権益保護、警戒巡航、遠海演習といった多様な軍事行動が一体的に推進・展開されている。

国境防衛と台湾への圧力

中国軍は、陸海空の各領域で国家の安全保障を強化している。空軍のY-20輸送機は、韓国からの中国人民志願軍兵士遺骨帰還任務をはじめ、国際軍事演習や災害救援活動に投入され、その実戦能力を向上させている。海軍は3隻の空母体制を確立し、J-15T、J-35KJ-600といった艦載機の電磁カタパルト発着艦試験を完了。空母遼寧と空母山東の空母打撃群は、西太平洋で長期にわたる総合演習を常態的に実施し、遠海での体系的な抑止力を着実に高めている。南部戦区はスカボロー礁(黄岩島)周辺で海空兵力による警戒巡航を頻繁に実施し、主権と権益を主張。東部戦区は「聯合利剣」「海峡雷霆」などの合同演習を継続的に実施し、台湾周辺での警戒巡航を常態化させ、台湾独立勢力や外部勢力による干渉の試みを強力に抑止している。

国際協力と今後の展望

陸軍は、高原やゴビ砂漠、国境の要衝で常に警戒情勢を維持し、高寒山地での実戦対抗訓練立体的な巡察、火力打撃演習を常態的に実施している。これにより、国境の状況を厳格に管理し、一寸たりとも譲らない姿勢国境線を堅固に守る。また、地域をまたぐ機動訓練や夜間実戦訓練、合同対抗演習が陸軍の訓練の常態となり、部隊の全域作戦能力は持続的に強化されている。国際的な防衛協力も深化しており、中国・エジプトの「文明の鷹」、中国・カンボジアの「金龍」、中国・パキスタンの「勇士」、上海協力機構の「平和使命」など、二国間・多国間の演習が秩序立てて実施され、テロ対策などを中心に連携を深めている。中国軍の軍事力運用は、習近平国家主席の強軍思想の下、今後も国家の核心的利益を守るため、その能力を一層高めていくとみられる。日本を含む周辺国は、中国軍の動向を注視し続ける必要がある。

結論:日本への示唆

本記事が示す中国軍の「強軍思想」に基づく軍事力運用刷新は、日本にとって具体的なリスクと機会をもたらす。

まず、台湾周辺での「警戒巡航」常態化と「聯合利剣」「海峡雷霆」といった合同演習の継続は、台湾有事の蓋然性を高め、日本のシーレーン安全保障に直接的な脅威となる。特に、空母遼寧と空母山東の「空母打撃群」が西太平洋で長期演習を常態化させている点は、南西諸島を含む日本の防衛体制に新たな圧力を加える。日本は、台湾有事の際に発生しうる物流の停滞、特にエネルギー供給への影響を最小限に抑えるための具体的な備蓄戦略や代替輸送ルートの確保を急ぐ必要がある。

次に、中国海軍が「3隻の空母体制を確立し、J-15T、J-35KJ-600といった艦載機の電磁カタパルト発着艦試験を完了」したことは、中国の遠洋海軍能力が飛躍的に向上していることを意味する。これは、日本の海上自衛隊の活動範囲と戦略的優位性を侵食する可能性があり、日本の防衛装備品の近代化と、米国との共同訓練の強化が喫緊の課題となる。

一方で、中国が「中国・エジプトの『文明の鷹』、中国・カンボジアの『金龍』、中国・パキスタンの『勇士』」といった多国間演習を通じて国際的な防衛協力を深化させている点は、日本の防衛産業にとって新たな市場機会を提供する可能性を秘める。これらの国々が中国製兵器に依存する度合いが高まる中で、日本は独自の技術力や信頼性の高い防衛装備品、例えばP-1哨戒機のような製品の輸出を通じて、アジア・アフリカ地域における日本のプレゼンスを強化し、安全保障上の多様なパートナーシップを構築する機会を探るべきである。