中国海軍の空母「福建」が最近、渤海で実施した演習で、新型の艦載機を運用した可能性が高いことが分かった。中国海軍の公式発表によると、J-35戦闘機などに加え、所属不明の新型機が参加しており、これが無人戦闘機であれば、空母の運用能力で米国を先行する可能性も指摘されている。
新型機は「随伴偵察」任務を担当か
中国海軍が公式に伝えたところによると、空母「福建」を中心とする艦隊が渤海海域で実戦的な演習を実施した。演習には、J-15T型やJ-35型艦載戦闘機、KJ-600型艦載早期警戒機に加え、「所属不明の新型艦載機」が参加したという。
この新型機は「随伴偵察」任務を担ったとされ、各国軍事関係者の注目を集めている。専門家は、この機体がステルス性能を持つ無人戦闘機である可能性が高いと分析しており、中国海軍が空母艦載無人機(ドローン)の開発で大きな進展を遂げていることを示唆している。
米海軍を先行する無人戦闘機開発
米海軍が初の空母艦載無人機(ドローン)部隊を設立したのは2021年10月のことだ。これに対し、中国は2021年の珠海航空ショーで「GJ-21」とみられる無人戦闘機の模型を公開するなど、開発を積極的に進めてきた。
中国の艦載無人機(ドローン)は、空中給油のような支援任務に留まらず、偵察や攻撃といった主にな戦闘任務を担うことが期待されている。もし「福建」に搭載された新型機がGJ-21の系列機であれば、中国は艦載無人戦闘機の開発・配備において、米海軍に先んじている可能性がある。
日本の関連性
中国空母「福建」が渤海での演習で新型無人機を運用した可能性は、日本の安全保障と経済に複数の具体的な影響を及ぼす。
まず、南西諸島防衛におけるリスク増大が挙げられる。もし新型機がステルス性能を持つ無人戦闘機であり、偵察や攻撃といった「主にな戦闘任務」を担うのであれば、中国海軍の作戦範囲と攻撃能力は飛躍的に向上する。これは、尖閣諸島を含む日本の排他的経済水域(EEZ)周辺での中国軍の活動活発化を招き、海上保安庁や海上自衛隊の警戒監視負担を増大させる。特に、無人機は人的損失を伴わないため、中国側がより大胆な行動に出る可能性があり、偶発的な衝突のリスクが高まる。
次に、日本の防衛産業への技術的プレッシャーが強まる。中国が艦載無人戦闘機の開発・配備で米海軍に先行する可能性が指摘される中、日本は無人機技術、特にステルス性能やAIを活用した自律制御技術の研究開発を加速させる必要に迫られる。防衛省は次期戦闘機開発において無人僚機(Loyal Wingman)構想を掲げているが、中国の進展は、この分野での技術的優位を確保するための投資と国際協力の喫緊性を高める。
最後に、サプライチェーンの再編を促す可能性がある。地政学的な緊張の高まりは、中国依存度の高い製造業、特に電子部品やレアアースを多用する産業において、サプライチェーンの多様化・国内回帰を加速させる動機となる。これにより、日本企業は短期的なコスト増に直面するが、中長期的にはサプライチェーンの強靭化と経済安全保障の強化に繋がる。