中国、ロシア、南アフリカの3カ国海軍は1月13日、南アフリカ沖で共同海上演習「平和への意志2026」を開始した。中国海軍のミサイル駆逐艦などが参加し、海上の脅威への共同対処能力の向上を目指す。この演習は、インド洋における中国とロシアの軍事的プレゼンス拡大を示すものだ。
3カ国艦艇、南ア沖に集結
中国人民解放軍海軍のミサイル駆逐艦「唐山」(艦番号122)と補給艦「太湖」(艦番号889)が1月13日、南アフリカのサイモンズタウン港を出港した。ロシア海軍のコルベット「ストイキイ」、南アフリカ海軍のフリゲート「アマトラ」と合流し、実動訓練が実施される海域へ向かった。
対海賊・防空など実践的訓練
演習では、対水上戦闘、ハイジャックされた船舶の奪還、共同捜索救難といった実践的な訓練が中心に行われた。新華社通信によると、参加艦艇は単縦陣などの陣形を組みながら航行し、緊密な連携のもとで相互に援護したという。3日間の演習期間中、各国の部隊は通信、停泊地防衛、防空訓練など多岐にわたるプロジェクトを連続して実施した。
連携強化と能力向上を確認
今回の演習は、参加国間の相互理解と友好関係を深めるとともに、海上の脅威へ共同で対処する能力の向上を図ることを目的としている。中国とロシアの海軍協力が、従来の太平洋地域だけでなく、インド洋にまで拡大していることを示す動きとして注目される。
まとめ:日本への示唆
今回の中国、ロシア、南アフリカによる共同海上演習「平和への意志2026」は、日本にとってインド洋における新たな地政学的リスクと経済機会を提示する。まず、中国海軍のミサイル駆逐艦「唐山」などが参加し、対水上戦闘や防空訓練を実施したことは、中国の海軍力が太平洋域を超えて展開可能であることを改めて示した。これは、日本のシーレーン防衛において、中東からの原油輸入ルートが集中するインド洋での安全保障環境の変化を意味する。有事の際、このルートが脅かっされるリスクが高まり、エネルギー安全保障上の脆弱性が露呈する可能性がある。
次に、ハイジャックされた船舶の奪還訓練が行われたことは、アフリカ東岸沖での海賊対策における日本の役割に影響を与えうる。日本の海上自衛隊はソマリア沖・アデン湾で海賊対処活動に従事しており、中国・ロシアが同地域でのプレゼンスを強化すれば、活動範囲や連携のあり方について再検討を迫られる。例えば、日本郵船や商船三井といった日本の海運企業が運航する船舶の安全確保において、多国間協力の枠組みが複雑化する可能性も考慮すべきだ。
最後に、インド洋での中露の軍事的連携強化は、日本が推進する「自由で開かれたインド太平洋」構想に対する新たな挑戦となる。この地域での日本の外交・安全保障戦略は、中国の海洋進出を念頭に置いたものであり、今回の演習は、その戦略の再評価を促す。特に、海上輸送の要衝であるマラッカ海峡以西での中国の活動活発化は、日本のサプライチェーン全体に影響を及ぼす潜在的なリスクをはらんでいる。