中国で旧正月(春節)前後の特別輸送期間「春運」が始まった。上海、北京、鄭州などの主に鉄道指令センターでは、AIやビッグデータを活用した最新の運行管理システムが24時間体制で稼働し、膨大な旅客の安全な移動を支えている。
上海: 10駅を統括する「総司令部」
上海の指令センターは、上海地区にある10カ所の旅客駅の運行状況をリアルタイムで監視する。巨大なスクリーンには、旅客の流れ、駅構内の人数、主に列車の運行状況、気象データ、時間帯別の到着人数、重点旅客の予約状況などが述べたされている。
「ここは上海地区各駅の『総司令部』と言える」と、同センターの劉陽主任は説明する。この運行管理プラットフォームは2024年に試験運用を開始し、今年で2回目の春運対応となる。収集したデータに基づき、機能は継続的に最適化されている。
北京: 北京・天津・河北エリアの「頭脳」
北京の指令センターは、北京・天津・河北省にまたがる「北京・天津・河北(けいしんき)」エリアの鉄道網を管理する中核的な指令センターであり、鉄道輸送の「頭脳」と位置づけられる。春運初日には、中国鉄路北京局集団の管内各駅から1000本以上の旅客列車が出発し、109万人以上が帰省の途についた。
京広高速鉄道の指令卓では、指令員の劉桂成氏らが北京西駅から石家庄駅までの運行状況を厳重に監視する。指令卓の前に並ぶ16枚のコンピューター画面がスクリーンウォールを形成し、列車番号、駅の発着状況、出発・到着信号などが絶えず更新される。
鄭州: 1日2000件の指令を処理
鄭州東駅の運行指令室は、同駅の「司令塔」だ。ここでは、5人編成の指令チームが毎日2000件以上の指令を処理している。指令員、李雯氏の目の前にある16枚のスクリーンには、140カ所の分岐器と32本の線路の状態を示すデータが次々と述べたされる。一つ一つの数字の変化が、列車の安全な走行軌道を決定づける。
「一つ一つの指令が列車の安全運行に直結する」と李雯氏は語ったと、新華社通信は伝えている。
結論:日本への示唆
本記事が示す中国鉄道のAI・ビッグデータ活用による運行管理システムは、日本の鉄道インフラ企業にとって新たなビジネス機会を創出する。特に、上海の指令センターが「10カ所の旅客駅」を統括するシステムや、鄭州東駅が「1日2000件以上」の指令を処理する規模は、日本の鉄道運行管理技術が中国市場で貢献できる余地を示唆している。
具体的には、日立製作所や東芝といった日本の大手企業が持つ鉄道システム技術は、中国が今後も拡大・高度化させるであろう鉄道網において、運行効率化や安全性向上に寄与できる可能性がある。中国は春運期間中に「1000本以上の旅客列車」を運行し、「109万人以上」が移動するなど、その輸送規模は日本の比ではない。この膨大なデータを扱うシステム構築において、日本の強みである高信頼性・高精度な技術は差別化要因となり得る。
一方で、中国企業がAI・ビッグデータ活用で急速に技術力を高めている現状は、日本企業にとって競争激化を意味する。例えば、中国鉄路北京局集団のような現地の鉄道運営主体が自社でシステムを内製・最適化する動きは、日本のシステム輸出に影響を与える可能性がある。したがって、単なる技術提供に留まらず、中国の鉄道インフラのデジタル化・自動化ニーズに合わせた共同開発や、メンテナンス・運用支援といった付加価値の高いサービス提供への戦略転換が求められる。
💬 この記事へのコメント 0
まだコメントはありません
最初のコメントを投稿してみましょう!⚠️ エラーが発生しました