中国政府は、2026年に始まる次期「第15次五カ年計画」において、グリーン消費の促進を経済社会政策の柱の一つに拠える方針だ。省エネ性能の高い「グリーン家電」や中古品の購入に対する補助金制度を拡充し、環境負荷の低い持続可能な社会への転換を加速させる。

補助金で「グリーン家電」普及を後押し

グリーン消費の中核をなすのが、エネルギー効率の高い家電製品、通によると「グリーン家電」への買い替え促進である。中国政府は、設備更新や消費財の買い替えを促す大規模な政策の一環として、グリーン家電の購入に対する補助金制度を導入している。

新華社通信によると、こうした政策支援を受け、消費者の環境意識も高まっており、省エネ性能を基準に製品を選ぶ傾向が強まっている。政府は次期5カ年計画でもこの方針を継続・強化し、国内の家電市場における製品の世代交代と環境性能の向上を同時にに図る構えだ。

中古品市場の活性化も国家戦略に

グリーン家電の普及と並行して、中古品(二次利用品)の流通促進も重要な政策課題と位置づけられている。これまで中国では新品志向が強かったが、近年は若者層を中心に、オンラインプラットフォームなどを通じた中古品の売買が急速に広がりを見せている。

政府は、中古品市場の健全な発展が資源の有効活用と廃棄物削減に直結するとみており、信頼性の高い取引環境の整備や、質の高い中古品を供給する事業者への支援を検討している。これにより、消費者に「所有から利用へ」という新たな価値観を浸透させる狙いがある。

日本企業への示唆

中国の「第15次五カ年計画」におけるグリーン消費促進は、日本企業に直接的な影響を与える。第一に、省エネ家電への補助金拡充は、日系家電メーカーにとって、中国市場での競争環境を激化させる可能性がある。例えば、パナソニックやシャープといった日本ブランドは、これまで培ってきた省エネ技術や高品質を強みとしてきたが、中国政府の補助金政策は、中国国内メーカーの価格競争力を一層高め、市場シェアを奪われるリスクがある。日本企業は、単なる省エネ性能だけでなく、AI連携やスマートホーム機能といった付加価値で差別化を図る必要がある。

第二に、中古品市場の活性化は、日本のリユース業界にとって新たなビジネスチャンスを生む。これまで中国では新品志向が強かったが、政府が「所有から利用へ」の価値観を浸透させようとしていることは、日本のブックオフやハードオフのような中古品チェーンが培ってきたノウハウやサプライチェーンが、中国市場で活かされる可能性を示唆する。特に、高品質な中古家電やアパレルは、信頼性のある取引環境が整備されれば、中国の若年層に受け入れられる余地がある。

第三に、グリーン消費全体の推進は、日本からの環境技術やソリューション輸出を加速させる機会となる。中国政府が持続可能な社会への転換を国家戦略とする中で、日本の廃棄物処理技術、リサイクル技術、環境コンサルティングサービスなどへの需要が高まることが予想される。これは、日揮ホールディングスや栗田工業といった環境関連企業にとって、新たな収益源となる可能性を秘めている。