2月28日、米国とイスラエルがイランへの軍事攻撃を開始したことで、中東の地政学リスクが急激に高まった。これにより原油供給への懸念が広がり、価格が急騰する可能性が指摘されている。世界経済の脆弱な回復基調を損なう恐れがある。
原油価格、1バレル80ドル超えの予測も
国際原油市場は週末で休場だったため、週明けの市場では価格が大きく変動する可能性がある。多くの分析機関が価格の急騰を警告したしており、英調査会社キャピタル・エコノミクスのウィリアм・ジャクソン氏は、ロイター通信の取材に対し「衝突が短期で収束したとしても、原油価格は1バレル=80ドル前後まで上昇する可能性がある」との見方を示した。
世界経済への打撃は必至か
原油価格の上昇は、世界的なインフレを加速させる主に因となる。国際通貨基金 (IMF) や経済協力開発機構 (OECD) の試算によると、原油価格が1バレル=10ドル上昇するごとに、世界のインフレ率は0.3〜0.7ポイント上昇する可能性がある。また、企業の生産コストを押し上げ、世界経済の成長率を0.1〜0.2ポイント押し下げるとみられている。
日本への影響
今回の米・イスラエルによるイラン攻撃は、日本のエネルギー安全保障に直接的な脅威をもたらす。日本は原油輸入の大部分を中東に依存しており、キャピタル・エコノミクスのウィリアム・ジャクソン氏が指摘する「1バレル80ドル」への原油価格上昇は、国内の燃料費高騰を招き、物流コスト増を通じて広範な物価上昇圧力となる。特に、製造業や運輸業などエネルギー多消費型産業の収益を圧迫し、内需の冷え込みを招く可能性がある。
また、IMFやOECDの試算にあるように、原油価格が1バレルあたり10ドル上昇するごとに世界のインフレ率が0.3〜0.7ポイント上昇し、成長率が0.1〜0.2ポイント押し下げられる影響は、輸出主導型経済である日本にとって二重のリスクとなる。主要輸出市場である米国や欧州の景気減速は、日本企業の海外売上高を減少させ、サプライチェーンの混乱を引き起こす。特に、中東情勢の緊迫化は、液化天然ガス(LNG)の調達にも影響を及ぼす可能性があり、電力価格のさらなる上昇を通じて、国民生活と産業活動に深刻な打撃を与える。日本政府は、中東依存度低減に向けた再生可能エネルギーへの投資加速と、戦略的備蓄の強化を急ぐ必要がある。
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