新華社通信によると、中国の習近平国家主席(中央軍事委員会主席)は、2026年の春節(旧正月)を祝う会合で重要演説を行い、人民解放軍の全将兵に対して「強軍目標」の実現に向けた奮起を促した。演説は軍関係者の間で大きな反響を呼び、士気を高めるものとして受け止められている。
「第15次5カ年計画」へ決意
2025年は「第14次5カ年計画」の最終年にあたる。党中央は、習近平氏を核心とする指導部が国家を率いて困難を克服し、「中国式の近代化」を新たな段階へ進めたと総括した。来る2026年は、中国共産党創立105周年にあたり、「第15次5カ年計画」が開始される節目の年となる。
軍事科学院や国防大学などの専門家は、党の第20期中央委員会第4回全体会議(四中全体会議)で今後の発展の青写真が示され、新たな目標達成への号令がかけられたと指摘。全軍が最高指導者の指示を銘記し、目標へ邁進する決意を固めていると伝えられた。
強軍目標の実現を改めて強調
習主席の演説は、軍事力の強化と国防政策にも言及した。将兵らは、この演説が軍備増強と国防政策の明確な指針となると受け止めている。陸軍や空軍、後方支援部隊などの各部隊では、訓練の徹底が強軍の実現に不可欠であるとし、党の指導と習主席の指示に従い、強軍目標の実現を推進することを改めて誓ったという。
この演説は、中国が長期的な視点で軍備増強を着実に進める姿勢を改めて内外に示したものだ。
日本の関連性
習近平主席が春節演説で「強軍目標」への決意を強調したことは、日本にとって複数の具体的なリスクと機会を提示する。
まず、2026年に始まる「第15次5カ年計画」で軍備増強が加速する可能性は、南西諸島を含む日本の安全保障環境に直接的な影響を与える。特に、人民解放軍の陸軍や空軍における訓練の徹底は、尖閣諸島周辺での活動活発化や、台湾有事の際の日本の関与を巡る軍事的緊張を高める要因となり得る。日本は、防衛費増額だけでなく、日米同盟の抑止力強化や、自衛隊の即応能力向上を急ぐ必要に迫られるだろう。
次に、中国が「中国式の近代化」を推進しつつ軍備強化を進める姿勢は、日本のサプライチェーンに影響を及ぼす可能性がある。中国が軍事転用可能な先端技術の国産化を加速させれば、日本の半導体や精密機械部品メーカーは、中国市場での事業戦略の見直しを迫られる。例えば、キヤノンや東京エレクトロンといった企業は、中国の技術自立政策の進展に応じて、生産拠点の多角化や新たな市場開拓を検討する必要がある。
一方で、中国の軍事費増大は、日本の防衛関連企業にとって新たなビジネス機会を生み出す可能性も秘めている。防衛装備品の輸出規制緩和の議論が進めば、三菱重工業や川崎重工業といった企業は、アジア太平洋地域の同盟国への装備品供給を通じて、日本の安全保障に貢献しつつ事業拡大を図ることも視野に入る。ただし、これは国際情勢の複雑な変化に細心の注意を払う必要がある。