中国のスマートフォン大手シャオミは1月6日、問題視されていたインフルエンサーとの提携関係を解消したと発表した。ファンからの強い批判を受け、ブランドイメージの毀損を避けるため迅速な対応に踏み切ったかたちだ。
ファンからの批判を受け、提携を即日解消
シャオミの広報部門責任者である徐潔雲氏は同日、中国のSNS「Weibo (Weibo(微博))」の公式アカウントで声明を発表。インフルエンサー「万能の大熊」氏との接触について社内調査を行った結果、すべての協力を即時終了し、今後も一切協力しない方針を明らかにした。徐氏はファンに対して謝罪の意を表明し、コミュニティからの意見を真摯に受け止めた結果の決定だと説明している。
ファンからは、シャオミの迅速な決定を支持する声が多数上がっており、Weibo上ではこの対応が評価されている。
過去に虚偽情報拡散の前歴も
このインフルエンサーは、一部で「反米の急先鋒」と見なされる一方、シャオミの製品やファンを中傷する言動を繰り返していた。また、科学的根拠のない製品を宣伝するなど、その活動がたびたび問題視されていた。中国メディアによると、同氏は過去に虚偽の情報を拡散したとして、裁判所から16万元(約330万円)の賠償を命じられた前歴があるという。
日本にとっての意味
シャオミが「万能の大熊」氏との提携を解消したことは、日本企業にとって中国市場におけるブランド戦略の再考を迫る。第一に、中国の消費者は企業倫理や社会的責任への意識が高まっており、問題のあるインフルエンサーとの安易な提携は即座にブランドイメージの毀損に繋がるリスクがある。シャオミがファンからの批判を受け、即日提携を解消した迅速な対応は、中国市場特有のSNSを通じた消費者感情の爆発的な伝播を物語る。過去に虚偽情報拡散で16万元の賠償命令を受けた人物との提携は、日本企業が中国のKOL(Key Opinion Leader)選定において、単なるフォロワー数だけでなく、その人物の過去の言動や倫理観まで深く調査する必要があることを示唆する。
第二に、中国のSNSプラットフォームであるWeiboは、企業に対する消費者の直接的な「意見表明の場」として機能している。日本企業が中国で事業展開する際、Weiboなどの主要SNSにおける自社ブランドへの言及をリアルタイムでモニタリングし、ネガティブな兆候を早期に察知する体制が不可欠となる。シャオミの事例は、中国の消費者が企業行動に対し非常に敏感であり、その反応がブランドの命運を左右する可能性を示している。日本企業は、中国のインフルエンサーマーケティングにおいて、契約前のデューデリジェンスを徹底し、万が一問題が発生した場合の迅速な対応プロトコルを確立すべきである。