2026年1月6日から9日まで米ラスベガスで開催された世界最大級のテクノロジー見本市「CES 2026」で、中国のAI(人工知能)搭載玩具メーカーが存在感を示した。多くの中国企業が関連製品を展示し、市場の急拡大を印象付けた一方、製品の同質化や価格競争といった課題も浮き彫りになった。

290億円市場へ急拡大

中国の工業情報化部のデータによると、同国のAI玩具市場は2024年の約246億円から、2025年には290億円規模に達する見通しだ。これは前年比で17.9%の増加となり、市場が急速に拡大していることを示している。CES 2026での中国企業の積極的な出展は、この成長を背景にしたものだ。

同質化と価格競争の課題

一方で、CES 2026の会場では、AI玩具の同質化という課題が顕著になった。多くの企業が短期的な利益を追求するあまり、類似した機能を持つ製品が乱立。これにより、ハードウェアの性能や価格のみを競う消耗戦に陥っているとの指摘も出ている。持続的な成長には、独自性のある製品開発が不可欠となる。

日本市場への影響

CES 2026で中国AI玩具メーカーが示した存在感は、日本企業にとって複数の具体的な影響をもたらす。まず、中国のAI玩具市場が2025年には290億円規模に達し、前年比17.9%増と急成長している点は、日本のアニメ・キャラクターIP(知的財産)を活用した新たなビジネス機会を創出する。例えば、バンダイナムコホールディングスやタカラトミーといった日本の大手玩具メーカーは、AI技術を組み込んだキャラクター玩具や知育玩具を共同開発することで、中国市場の成長を取り込める。

次に、記事が指摘する「製品の同質化」と「価格競争」は、日本の技術優位性を発揮する好機となる。中国企業がハードウェア性能や価格で消耗戦を繰り広げる中、ソニーグループのロボット技術やソフトバンクグループのAI技術など、日本が培ってきた高度なAI技術や精密なセンサー技術を応用した差別化された製品開発が可能だ。これにより、単なる価格競争から脱却し、高付加価値製品で市場をリードする余地が生まれる。

最後に、中国市場の急速な変化は、日本のサプライチェーンにも影響を与える。中国のAI玩具メーカーが部品調達を加速すれば、日本の半導体や電子部品メーカーは新たな顧客獲得の機会を得る一方、過度な依存は地政学リスクに直結する。村田製作所やTDKといった電子部品メーカーは、中国市場の動向を注視しつつ、供給網の多角化を検討する必要がある。