ある調査会社のレポートによると、2026年に世界の自動車産業が大きな転換点を迎える見通しだ。中国の自動車メーカーの世界販売台数が2700万台に達し、長年首位の座にあった日本メーカーを初めて上回ると予測されている。これは、中国が国策として推進してきた新エネルギー車(NEV)戦略とグローバル展開が結実した結果とみられる。

新エネ車戦略で躍進する中国

中国政府は2015年に発表した産業政策「中国製造2025」で、新エネルギー車を重点分野に指定。以来、強力な補助金政策やインフラ整備を通じて市場を育成してきた。その結果、中国国内のNEV販売は急拡大し、2024年には年間販売台数が1200万台に到達した。

この数字は、世界市場全体のシェアで6割以上を占める規模となる。BYD比亜迪)やNIO(上海NIO(ニオ)汽車)といった新興メーカーが国内でシェアを固め、東南アジアや欧州市場への輸出を加速させていることが、世界販売台数での躍進につながると分析されている。

EVシフトの遅れが響く日本勢

一方、日本の自動車産業は、長年ハイブリッド車(HV)で市場をリードしてきたものの、電気自動車(EV)への本格的なシフトでは他国に後れを取った。世界的な脱炭素化の流れがEVへの移行を加速させる中、日本メーカーは製品ラインナップの転換という課題に直面している。

特に最大の自動車市場である中国での販売不振が、世界全体の販売台数に影響を与えている。レポートでは、日本のグローバル戦略が岐路に立たされており、このままでは中国勢に市場シェアをさらに奪われる可能性があると指摘している。

日本市場への影響

2026年に中国の自動車メーカーの世界販売台数が2700万台に達し、日本を初めて上回るとの予測は、日本の自動車産業にとって極めて具体的な脅威を突きつける。まず、中国市場における日本メーカーの存在感のさらなる低下が挙げられる。中国のNEV販売が2024年に1200万台に到達し、世界シェアの6割以上を占める現状は、EVシフトの遅れが中国市場での販売不振に直結していることを明確に示している。この傾向が続けば、中国市場での収益機会が著しく縮小し、日本の自動車メーカーのグローバル戦略に深刻な打撃を与えるだろう。

次に、BYDのような中国新興メーカーの国際市場での台頭は、日本メーカーの既存市場における競争激化を意味する。BYDが東南アジアや欧州市場への輸出を加速させていることは、これまで日本メーカーが優位性を保ってきた市場でのシェアが浸食されるリスクを増大させる。特に、価格競争力とEV技術で先行する中国勢に対し、日本メーカーは製品ラインナップの迅速な転換と、新たな競争軸の確立が急務となる。

最後に、サプライチェーンへの影響も看過できない。中国が新エネルギー車分野で世界的な優位を確立することで、バッテリーやモーターといった主要部品のサプライチェーンにおける中国依存度がさらに高まる可能性がある。これは、部品調達リスクの増大や、コスト競争力への影響を通じて、日本メーカーの生産体制に直接的な影響を及ぼす。日本企業は、中国の技術動向と国際市場での展開を詳細に分析し、戦略的なサプライチェーンの再構築を検討する必要がある。