中国の国家市場監督管理総局は2025年に実施した品質認証機関に対する全国一斉検査の結果を公表し、重点調査対象となった40社のうち38社で違法行為や規則違反が指摘されたと発表した。このうち1社は認証機関としての認可が取り消されるなど、厳しい処分が下されている。

認証機関38社で違反、1社は認可取消

国家市場監督管理総局が公表した検査結果によると、重点調査対象となった40社のうち、95%にあたる38社で違反が確認された。このうち「頂呱呱認証」は認可要件を満たしていないとして、認証機関としての認可を取り消された。

また、「北京海航時代認証中心」や「広東中認聯合認証」など23社が違法行為の疑いで立件され、調査が進められている。残りの14社も行政処分や改善命令を受けた。今回の検査は「双随機、一公開」(無作為抽出による検査と結果の公開)と呼ばれる制度の一環として行われた。

全国で4400社超を調査、罰金総額1.4億円

2025年の一斉検査では、まず全国から300社の認証機関が無作為に抽出された。このうち問題が集中しているとみられる40社を総局が重点的に調査し、残りの260社は地方の市場監督管理部門が調査を担当した。

新華社通信によると、地方部門は調査員延べ1万人以上を動員し、合計4,412社の認証機関を調査、6,114件の問題点を指摘した。最終的に59社に対して行政処分が科され、罰金総額は685万元(約1億4000万円)に上った。

2026年に向け監督管理を強化

市場監督管理部門は2026年に向けて、品質認証業界の信頼性向上を最重要目標に掲げている。監督管理の精度と実効性を高めることで不正行為が起こりにくい事業環境を整備し、市場の信頼を回復させたい考えだ。

一連の措置を通じて、当局は品質認証業界の健全な発展を促す方針である。今後、認証機関に対する監督・指導はさらに強化される見通しだ。

日本市場への影響

中国の国家市場監督管理総局による認証機関への処分強化は、日本企業にとって二つの具体的な影響をもたらす。まず、中国市場で事業展開する日本企業は、製品の品質認証プロセスにおいて、これまで以上に厳格な審査と透明性を求められる。特に、95%にあたる38社で違反が指摘された現状を鑑みると、認証機関の選定には細心の注意が必要となる。例えば、過去に問題が指摘された「北京海航時代認証中心」や「広東中認聯合認証」のような機関を避けることで、認証取得後のトラブルリスクを低減できる。

次に、この動きは、日本企業が中国におけるサプライチェーンの信頼性を再評価する機会を提供する。中国国内の認証機関の信頼性向上は、中国製部品や製品の品質保証に対する国際的な評価を高める可能性を秘めている。これにより、日本企業は、より信頼性の高い中国製部品を調達できるようになり、コスト削減やサプライチェーンの多様化といった恩恵を受けることができる。しかし、同時に、認証プロセスの厳格化は、認証取得までの期間延長やコスト増加に繋がる可能性もあり、これらを事前に織り込んだ事業計画の策定が求められる。今回の検査で罰金総額が685万元(約1億4000万円)に上った事実は、当局の姿勢が本物であることを示しており、日本企業はこれに対応する準備を急ぐ必要がある。