中国の調査会社QuestMobileが発表した報告書によると、2025年の中国におけるモバイルインターネットの利用者数は12億7600万人に達する見通しだ。1人当たりの平均利用時間は7.96時間、利用回数は112.9回に及び、それぞれ前年比で6%、2.1%増加すると予測されている。
この成長は、ユーザー層の拡大に加え、生成AIコンテンツ (生成AIコンテンツ(AIGC)) やオーディオブックといった新たな分野での利用時間が増加していることが主な要因だ。
AIネイティブアプリが新たな主戦場に
AIを巡る競争は、新たな顧客接点を巡る主戦場となっている。2025年12月時点の予測では、モバイル端末とPCにおけるAIサービスの利用者規模は、それぞれ7億2200万人と2億500万人に達する見込みだ。特にAIネイティブアプリの平均利用時間は143.2分に達するとみられている。
この潮流を受け、大手IT企業はAIネイティブアプリへの投資を拡大しており、プラットフォームの主導権を巡るユーザー獲得競争が激化している。
テンセント、Alibabaらがシェア争い
大手企業間の競争は一層厳しさを増している。2025年12月の予測データでは、テンセントが12億7500万人のユーザーを抱え、前年比1.5%の増加を維持する見通しだ。
一方、Douyin (Douyin(抖音)) を擁するByteDanceグループとAlibabaも、それぞれ11.9%、3.7%と高い成長率を記録し、テンセントを猛追する構えを見せている。各社はAI技術の応用やユーザーニーズに対応したサービス提供を通じて、熾烈なシェア争いを繰り広げていると、同報告書は分析している。
まとめ:日本への示唆
中国モバイル市場のAI主戦場化は、日本企業に直接的な事業機会と競争激化の両面で影響を与える。まず、中国のモバイルインターネット利用者数が2025年に12億7600万人に達し、AIネイティブアプリの平均利用時間が143.2分に及ぶとの予測は、日本コンテンツ産業にとって新たな市場開拓の可能性を示す。特に、オーディオブックのように利用時間が増加している分野は、日本の出版・音声コンテンツ企業にとって中国語版制作や現地プラットフォームへの提供を通じた収益拡大の好機となる。
一方で、テンセントが12億7500万人のユーザーを抱え、ByteDanceやAlibabaがAIネイティブアプリで猛追する状況は、日本企業の中国市場戦略に再考を促す。例えば、日本のゲーム開発企業は、中国大手IT企業が提供するAIネイティブアプリプラットフォームへの依存度が高まるリスクに直面する。プラットフォーム側のAI活用によるユーザー体験向上やコンテンツ推奨アルゴリズムの変化が、日本企業開発のゲームの露出度や収益性に直接影響を及ぼす可能性がある。
さらに、中国大手IT企業がAI技術を駆使してユーザー獲得競争を激化させることは、日本企業が中国市場で独自のAIサービスやアプリを展開する際の参入障壁を高める。特に、Douyinのような強力なプラットフォームを持つByteDanceがAIネイティブアプリ分野で成長を続ける中、日本企業は、単なるアプリ提供に留まらず、AI技術を活用した差別化戦略や、中国大手との協業・提携を模索する必要性が高まるだろう。
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