2026年の春節(旧正月)連休期間中、中国の出入国者数が大幅に増加する見通しだ。国家移民管理局の予測によると、全国の出入国港では1日平均205万人を超える旅客が見込まれ、特に北京や上海などの主に空港で混雑が予想される。各地ではインバウンド観光客向けの多様なイベントが計画されている。

1日平均205万人、2月15日にピークか

国家移民管理局が発表した予測によれば、2026年の春節連休期間中、全国の出入国港における1日平均の旅客数は205万人を超える見通しだ。これは新型コロナウイルス感染症拡大前の水準に迫る勢いである。

特に北京首都国際空港や上海浦東国際空港などの主に空港では、出入国者数が大幅に増加するとみられる。出国者数のピークは2月15日になると予測されており、各空港では混雑緩和に向けた対策が進められている。

北京:無形文化遺産など5000超の文化イベント

北京市では、訪中観光客向けに一連の文化観光イベントやサービスを提供する。無形文化遺産の体験、世界遺産「北京の中軸線」の観光、ウィンタースポーツ、ファミリー向けフェスティバルなどをテーマにした活動が予定されている。

北京市・天津市・河北省が連携して実施するものを含め、5000以上の新春関連イベントが開催される。これにより、海外からの観光客は北京の歴史や文化の魅力を体験し、中国の旧正月を満喫できると、新華社通信は伝えている。

黒龍江省:氷雪と民俗を融合した旧正月体験

中国東北部の黒龍江省では、「黒龍江省で旧正月を過ごそう(来龍江過大年)」と題した一連の文化観光イベントを推進する。氷雪文化と地域の民俗を融合させたユニークな旧正月体験を提供するのが狙いだ。

期間中は、中ロ国際氷雪スポーツ大会や、無形文化遺産と正月用品を集めた特設市など、260以上のイベントが開催される。また、国境検問所での通関サービスも改善し、入国する観光客が熱気あふれる正月の雰囲気をスムーズに体感できるよう配慮する。

海南省:「封関運営」後初の春節に期待

海南省では、島全体の税関を一体として管理する「封関運営」の開始後、初めての春節を迎える。海南自由貿易港政策の恩恵が続く中、国際線の増便や、文化・観光・スポーツイベントの多様化が進んでおり、出入国者数の増加が見込まれている。

温暖な気候と独自の政策により、海南省で春節を過ごすことは海外の観光客にとって大きな魅力となっている。

日本企業への示唆

2026年春節の中国出入国者数予測は、日本経済に直接的な影響を及ぼす。国家移民管理局が予測する1日平均205万人超の旅客は、中国人の海外旅行需要の本格的な回復を示唆する。これは、日本のインバウンド市場にとって大きな機会である。特に、北京や黒龍江省で計5000以上の文化観光イベントが企画されることは、中国国内での観光需要喚起に繋がり、日本への旅行を検討する層の選択肢を奪う可能性がある。

一方で、この大規模な出入国は、日本の観光関連企業にとって新たなリスクと機会を生む。例えば、上海浦東国際空港や北京首都国際空港の混雑は、日中間の航空便の遅延や欠航リスクを高め、日本の航空会社や旅行代理店は運航計画の柔軟な見直しを迫られるだろう。また、黒龍江省が中ロ国際氷雪スポーツ大会や無形文化遺産特設市など260以上のイベントで「氷雪と民俗を融合した旧正月体験」を打ち出すことは、日本のスキーリゾートや伝統文化体験を提供する地域との競合激化を意味する。日本は、単なる「爆買い」需要に依存せず、中国国内の多様なイベントや文化体験と差別化できる、よりユニークな観光コンテンツの開発とプロモーションを急ぐ必要がある。海南省の「封関運営」後の初の春節も、日本のリゾート地にとって新たな競合となる。