2026年に上海で開催予定の家電・IT見本市「AWE (Appliance & Electronics World Expo) 2026」では、AIやロボット技術が主にな展示となる見通しだ。Unitree Roboticsなどの新興企業が最新の人型ロボットを披露し、中国のテクノロジー分野における構造転換と技術力の向上を象徴する場となる。

AWE2026、AIとロボットが主役に

上海新国際博覧センターで開催されるAWE2026は、従来の家電やコンシューマーエレクトロニクスに加え、最先端技術の展示に力を入れる。中国メディアの報道によると、特に エンボディードAI (物理世界で対話・行動するAI)、ロボット、AI搭載ハードウェア、新たなヒューマン・マシン・インターフェース、最先端の視聴技術、スマートエンターテインメントなどが注目分野となる。

中国の家電・コンシューマーエレクトロニクス産業は、単なる生産規模の優位性から、技術革新を伴う質的向上へとシフトしている。AWE2026は、この変化を世界に示す重要な機会と位置づけられている。

Unitreeなど新興企業が技術革新を牽引

ロボット分野では、新興企業の躍進が著しい。中でも、人型ロボットを開発する Unitree Robotics (Unitree(宇樹科学技術))MagicLab などの企業が技術革新をリードしている。

Unitree Roboticsが開発した人型ロボット「G1」は、23〜43個の関節モーターを備え、広い可動域を確保。これにより、動的な立ち上がりや棒術の演舞といった高難度の動作を実現する。同社はモーター、減速機、レーザーレーダー (LiDAR) といった基幹部品の自社開発も進めている。

一方、MagicLabは汎用人型ロボットとエンボディードAI技術の研究開発に注力している。同社のチームは清華大学や上海交通大学など国内外のトップ大学出身者で構成され、研究開発職の割合が70%を超えるなど、高い技術開発力を持つ。

日本市場への影響

AWE2026での中国のAI・ロボット技術の台頭は、日本の製造業、特にFA(ファクトリーオートメーション)関連企業にとって、短期的には競争激化、中長期的には新たな協業機会をもたらす。Unitree Roboticsが人型ロボット「G1」に23〜43個の関節モーターを搭載し、モーターやLiDARといった基幹部品の自社開発を進めている事実は、日本が強みとしてきた精密部品やセンサー分野での中国企業の自立化を示唆する。これにより、日本の部品サプライヤーは中国市場でのシェア維持に苦戦する可能性がある。

一方で、MagicLabのように清華大学や上海交通大学といったトップ大学出身者が70%を占める研究開発体制は、中国が基礎研究から応用まで一貫した技術開発力を急速に高めている証左である。これは、日本企業がこれまで培ってきた技術的優位性が相対的に低下し、中国企業との技術提携や共同開発の必要性が高まることを意味する。例えば、日本のロボットシステムインテグレーターは、中国製ロボットの導入を検討することで、コスト競争力を高める機会を得られるかもしれない。また、日本のサービスロボット企業は、中国のエンボディードAI技術を組み込むことで、より高度なサービス提供が可能となる。この動きは、日本のロボット産業が単なるハードウェア供給から、ソフトウェアやAIとの融合によるソリューション提供へとビジネスモデルを転換する契機ともなり得る。