2025年の春節(旧正月)の大型連休における中国人の海外旅行先として、タイやマレーシアが人気を集めている。中国の旅行会社のデータによると、東南アジアへのフライト数は2019年同期の96%まで回復する見込みだ。一方、日本への旅行者数は大幅に減少し、関連する航空便の欠航も相次いでいる。

ビザ免除が追い風、東南アジアが人気

タイとマレーシアは、中国人観光客の人気旅行先となっている。両国は相次いで中国人に対するビザ免除措置を導入しており、旅行のハードルが大幅に下がったことが主な要因だ。特にマレーシアの首都クアラルンプールは、注目を集める都市の一つとなっている。

日本行きは大幅減、航空便も欠航

対照的に、日本への旅行需要は落ち込んでいる。2024年12月の訪日中国人数は前年同月比で45%減少した。2025年の春節期間中も、前年同期比で40〜50%減少すると予測されている。この需要減退を受け、2月には日本路線の49便が欠航となる予定だ。一部メディアは、この動向について「地政学的要因や為替レートの変動が影響している」との専門家の分析を報じている。

まとめ:日本への示唆

2025年春節における中国人旅行者の日本離れは、日本経済に複数の具体的な影響を及ぼす。まず、訪日中国人観光客が前年比で40〜50%減少する見通しであることから、百貨店やドラッグストアなど、インバウンド消費に依存する小売業は売上減に直面する。特に、これまで「爆買い」を牽引してきた中国人富裕層の減少は、高額品販売に打撃を与える。

次に、日本路線の49便が欠航となる事態は、航空会社や空港関連産業にとって直接的な収益減となる。ANAやJALといった日本の航空会社は、中国路線の減便や運休を余儀なくされ、運航効率の悪化や固定費負担の増加に直面するだろう。また、空港内の商業施設や免税店も客足が遠のき、売上減少は避けられない。

さらに、タイやマレーシアがビザ免除措置で中国人観光客を誘致している現状は、日本政府の観光戦略の再考を促す。日本は現在、中国人に対しビザ取得を義務付けており、これが旅行のハードルとなっている。円安が進行する中で、日本の観光地やサービスが東南アジア諸国と比較して価格競争力を失う可能性があり、ビザ政策の見直しを含めた抜本的なインバウンド戦略の転換が喫緊の課題となる。