春節(旧正月)を約1カ月後に控え、中国各地で年越しの準備が本格化している。上海市や江蘇省、江西省などでは、迎春花市や伝統的な漁、塩漬け・燻製肉の販売が始まり、年末年始のムードが高まっている。中国中央テレビ(CCTV)などが伝えた。
上海の迎春花市、新品種が人気
上海市青浦区にある大規模な花市場では、約45ヘクタール(680ムー)の敷地に200軒以上の生花店が軒を連ねる。春節を前に、開花期間が長く手入れが容易な鉢植えの草花が特に人気を集めている。
市場には新しい品種の花も数多く登場し、特に若者層からの関心が高い。色とりどりの花が並び、市場は多くの買い物客で活気に満ちている。
江蘇・江西では伝統行事も活発化
江蘇省鎮江市では、2年に一度の冬の伝統漁が実施された。主な漁獲物はコクレンやハクレンで、1匹あたりの平均重量は5〜10キログラム(10〜20斤)に達する。同省蘇州市では、塩漬けや燻製にした「腊肉(ラーロウ)」と呼ばれる伝統的な保存食が人気で、関連イベントでは多くの市民が買い求めている。
一方、江西省南昌市では、伝統的な「龍灯(リュウトウ)」と呼ばれる龍のランタン作りが最盛期を迎えている。龍灯作りは同省の無形文化遺産にも指定されており、2024年の辰年(龍の年)にちなんだデザインの制作が進められている。
日本の関連性
本記事が示す中国の春節商戦の活況は、日本企業にとって二つの具体的な機会と一つのリスクを提示する。
まず、上海の迎春花市で「約45ヘクタールの敷地に200軒以上の生花店が軒を連ね」、特に若者層に「新しい品種の花」が人気という事実は、日本の園芸関連企業にとって新たな市場開拓の可能性を示唆する。日本の高品質な鉢植えや栽培技術は、中国の富裕層や中間層の需要に応えうる。例えば、サントリーフラワーズのような日本の大手園芸企業は、中国市場向けに特化した品種開発やプロモーションを展開することで、新たな収益源を確保できるだろう。
次に、江西省南昌市における「龍灯(リュウトウ)」製作の活況は、2024年の辰年に特化した日本のキャラクター商品や伝統工芸品の需要を喚起する可能性がある。中国の旧正月文化に合わせた限定品の共同開発や、日本の伝統技術を応用した辰年関連商品の輸出は、特に日本の観光客向け土産物産業や伝統工芸品メーカーにとって、新たな販路となり得る。
一方で、江蘇省鎮江市での「コクレンやハクレン」の伝統漁のように、中国国内の食料自給率向上や伝統食品への回帰が進むことは、日本の食品輸出企業にとって競争激化のリスクとなる。特に、日本からの水産物や加工食品の輸出を検討する企業は、中国国内の供給能力向上と消費者の嗜好変化を綿密に分析し、高付加価値製品やニッチ市場への特化戦略を再考する必要がある。