シャオペン(XPeng)の元幹部らが設立した新会社OMOWAYが、2024年6月、世界第3位の二輪車市場であるインドネシアでスマート電動バイクの試作車を公開した。すでに数千万ドル規模の資金調達も完了しており、巨大市場での事業展開を本格化させる。

巨大市場インドネシアの可能性

インドネシアは世界第3位の二輪車市場であり、2023年の年間販売台数は624万台に上る。国内の二輪車保有台数は1億2000万〜1億3000万台と推定され、国民の2〜3人に1台が所有する計算だ。インドネシア政府は電動化を推進しており、2025年までに200万台、2030年までに1300万台の電動バイク普及を目標に掲げている。

シャオペン出身者らによる新会社OMOWAY

OMOWAYは、何涛(He Tao)氏が2024年に設立した電動バイク開発を手がける新興企業だ。経営陣には、シャオペン元副社長の矯青春(Jiao Qingchun)氏が共同創業者として参画するほか、同社の元自動運転責任者やデザイン部門のトップも名を連ねるなど、強力な布陣となっている。同社は2024年6月、インドネシアの首都ジャカルタで初のスマート電動バイクの試作車を発表した。

世界初の「自己平衡」電動バイク

OMOWAYが開発する電動バイクは、世界初となる量産型の自己平衡(セルフバランシング)機能を搭載したスマート電動バイクだ。車両には自動運転関連技術や転倒防止支援システムなどを搭載し、高度なスマート化を特徴とする。同社はすでにプレシリーズAおよびプレシリーズA+の2ラウンドで数千万ドル規模の資金調達を完了したと、chinapost.jpの取材で明らかにした。調達資金は主に製品の量産体制構築とグローバル市場の開拓に充当される見込みだ。

日本企業への示唆

シャオペン元幹部らが設立したOMOWAYのインドネシア電動バイク市場参入は、日本の二輪車メーカーにとって新たな脅威となる。インドネシアは2023年の年間販売台数が624万台に上る世界第3位の巨大市場であり、ホンダやヤマハといった日本企業が長年圧倒的なシェアを誇ってきた。OMOWAYが「世界初の自己平衡機能付きスマート電動バイク」を投入し、数千万ドル規模の資金調達を完了していることは、単なるスタートアップとは異なる強力な競争相手の出現を意味する。

特に、OMOWAYの経営陣にシャオペン元副社長の矯青春氏が共同創業者として参画し、同社の元自動運転責任者やデザイン部門のトップも名を連ねている点は注目に値する。これは、電動化だけでなく、自動運転技術や高度なスマート化といった先進技術を搭載した製品開発に注力する姿勢を示しており、日本の既存メーカーが持つ従来の強みである耐久性や信頼性だけでは対抗しきれない可能性を孕む。

日本企業は、インドネシア政府が2030年までに1300万台の電動バイク普及を目標とする政策を追い風に、OMOWAYのような新興勢力が急速にシェアを拡大するリスクに直面する。特に、ジャカルタでの試作車公開という迅速な現地展開は、市場のニーズを捉え、既存のサプライチェーンに依存しない新たなビジネスモデルを構築する可能性を示唆する。日本の二輪車メーカーは、電動化への対応を加速させるとともに、スマート機能や自動運転技術の導入を真剣に検討し、製品戦略を抜本的に見直す必要がある。