中国の自動車最大手、上海汽車集団(SAICモーター)は、2024年1月の世界販売台数が前年同月比23.9%増の32.7万台だったと発表した。自社ブランドと新エネルギー車(NEV)が販売を牽引し、好調な滑り出しを見せた。
自社ブランドが65%超、成長を牽引
自社ブランドの販売台数は前年同月比39.6%増の21.4万台に達した。総販売台数に占める比率は65.3%となり、前年同月から7.3ポイント上昇した。中でも傘下の上海汽車乗用車は同53.8%増の7.7万台を販売し、全体の成長を牽引した。
新エネルギー車販売、業界トップ水準を維持
電気自動車(EV)などを含む新エネルギー車(NEV)の販売台数は、前年同月比39.7%増の8.5万台となり、業界内で高水準を維持した。特に、傘下の上海汽車乗用車が販売したNEVは2.8万台に上り、同576.9%増と大幅に伸長した。
海外販売も5割増、欧州で存在感
海外市場での販売も好調で、前年同月比51.7%増の10.5万台を記録した。傘下のMGブランドはイギリス市場で2023年12月に月間販売台数2位を記録。2024年1月には欧州全体で約2.6万台を販売するなど、存在感を高めている。海外販売は同社の成長を支える柱の一つとなっている。
日本にとっての意味
上海汽車の1月販売データは、日本の自動車産業にとって複数の具体的な影響を示唆する。第一に、新エネルギー車(NEV)における上海汽車の急成長、特に傘下の上海汽車乗用車のNEV販売が前年同月比576.9%増と大幅に伸長した事実は、日本メーカーのEVシフトの遅れを一層際立たせる。トヨタやホンダなど、NEV分野で後塵を拝する日本企業は、中国市場でのシェア低下だけでなく、グローバル市場での競争力低下リスクに直面する。
第二に、上海汽車の海外販売が51.7%増の10.5万台に達し、特にMGブランドがイギリス市場で存在感を高めている点は、欧州における日本車の市場浸食の可能性を示唆する。MGブランドが2024年1月に欧州全体で約2.6万台を販売した実績は、価格競争力とEVラインナップを武器に、欧州市場で日本車と直接競合する脅威となる。これは、欧州市場における日本車の販売戦略の見直しを迫るだろう。
第三に、上海汽車の自社ブランド販売が39.6%増の21.4万台に達し、総販売台数に占める比率が65.3%に上昇したことは、中国国内市場における日本ブランドの地位低下を加速させる可能性がある。中国消費者の国産ブランド志向の高まりとNEVへの急速な移行は、日本メーカーが中国市場で従来享受してきた優位性を失わせ、事業戦略の抜本的な再構築を不可避にする。