中国最大の自動車メーカー、上海汽車集団(SAIC)は、2024年1-2月期の累計販売台数が前年同期比6.8%増59.7万台に達したと発表した。自主ブランドの躍進と海外市場での大幅な伸びが全体を牽引。新エネルギー車(NEV)分野も堅調で、中国自動車市場の構造変化を象徴する結果となった。

1-2月累計販売は59.7万台

SAICが発表した2024年2月の月次報告によると、単月販売は26.9万台だった。これにより、1-2月期の累計販売台数は59.7万台に達し、前年同期比で6.8%の増加を示した。春節(旧正月)の長期休暇を含み販売が落ち込みやすい時期にもかかわらず成長を維持したことは、同社の市場戦略が奏功していることを示唆する。

自主ブランドが全体の約7割に

成長を牽引したのは自主ブランドだ。1-2月期の販売台数は前年同期比14%増40.1万台に達し、SAIC全体の販売台数に占める割合は67.2%となった。この比率は前年同期から4.3ポイント上昇しており、同社が自社開発ブランドの競争力強化に成功し、国内市場での主導権を強めていることがうかがえる。

NEV販売も堅調、高級ブランドは急成長

新エネルギー車(NEV)分野では、1-2月期に15.7万台を販売し、前年同期比6.4%増となった。中国政府の普及政策と消費者の環境意識の高まりが市場拡大を後押ししている。特に、高級EVブランド「智己汽車(IM Motors)」は、同期間の販売台数が前年同期比69.4%増と大幅に伸長し、ブランド設立からの累計販売台数は10万台を突破した。

海外販売が約5割増、グローバル展開加速

海外市場での販売実績は、1-2月期に前年同期比48.9%増20.4万台と大幅に増加した。同社が中国国内だけでなく、グローバル市場での存在感を急速に高めていることを示す結果だ。特に「MG」ブランドは欧州市場で好調を維持しており、1-2月期だけで4.9万台を販売。中国企業がグローバルな競合相手として台頭している現状を浮き彫りにした。

日本への影響と今後の展望

上海汽車の1-2月期販売台数6.8%増は、日本自動車産業に具体的な課題を突きつける。まず、SAICの自主ブランドが全体の67.2%を占め、前年同期比14%増の40.1万台を販売した事実は、中国市場における現地ブランドの競争力強化が顕著であることを示す。これにより、トヨタやホンダといった日系メーカーは、中国市場でのシェア維持・拡大がより困難になる。特に、価格競争力とEVシフトへの対応で劣後すれば、市場縮小のリスクが高まる。

次に、SAICの海外販売が48.9%増の20.4万台に達し、特に「MG」ブランドが欧州で4.9万台を販売した点は、日本メーカーにとって新たな競合の台頭を意味する。欧州市場は、日系メーカーがEV戦略を強化する上で重要な地域であり、MGブランドの急速な浸透は、販売チャネルやブランド戦略の見直しを迫る。

最後に、高級EVブランド「智己汽車(IM Motors)」の販売台数が69.4%増と急伸したことは、中国EV市場の多様化と高価格帯EVの需要拡大を示唆する。これは、日系メーカーがEV開発において、単なる普及価格帯だけでなく、高付加価値EV市場への参入も視野に入れる必要性を示唆する。技術開発やブランド戦略において、中国企業のスピード感と市場ニーズへの適応力を上回る具体策が求められる。